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「とりあえず生中!」の前に、ヤクルトの合言葉「とりあえず◯◯!」を3つ紹介!


 「とりあえず生中!」。社会人になると飲み会や食事の席で飛び交う定番のセリフだ。社会人の方なら一度は耳にしたことがあるフレーズだろう。

 プロ野球の世界、というよりヤクルトでもこの「とりあえず◯◯」があるようだ。

 今回ヤクルトで発見された!?「とりあえず◯◯」を3つ紹介しよう。

とりあえず秋吉!


 一昨年のシーズンは61試合、昨シーズンは74試合に登板と秋吉亮は投げに投げた。今年も8月29日現在で62試合に登板している。入団以来3年連続60試合以上の登板はセ・リーグ初の快挙。そして、今シーズン67試合以上の登板となれば、稲尾和久(元西鉄、1956年プロ入り)以来の入団から3年で200試合登板となる。

 秋吉自身も「間隔が長くなると調子が狂う」と語っているように、ハードな起用のほうが本人にとってもよいのだろう。現在はクローザーに固定されているので起用法は安定しているが、真中満監督、高津臣吾投手コーチの間では「とりあえず秋吉!」これが合言葉となっているかもしれない。


とりあえずショート!


 ヤクルトがドラフトで獲得する内野手はショートが多い。というよりもショートばかり指名するといっても過言ではない。ショートをこなせれば他のポジションへのコンバートもしやすいからだろうか。山田哲人、川端慎吾といった中軸選手たちも高校時代はショートを守っていた。

 昨年のドラフトで獲得した内野手・廣岡大志、渡邉大樹も高校時代にショートで起用されている。ヤクルトの内野手が全員元ショートになることも珍しくない。

 ヤクルトがショート以外の内野手を指名したのは、2005年の希望枠・武内晋一までさかのぼる。ヤクルトのドラフト戦略は「とりあえずショート!」なのだ。

とりあえず甲子園出場選手!


 ドラフトではショートを獲得する特徴があるヤクルト。トレード、戦力外・自由契約から獲得した選手たちにはどういう特徴があるのか探ってみよう。なんと、全員が甲子園に出場しているのだ。

【FA加入した選手】
成瀬善久(横浜)
大引啓次(浪速)

【トレードで加入した選手】
近藤一樹(日大三)
今浪隆博(平安)
新垣渚(沖縄水産)
山中浩史(必由館)
田中雅彦(PL学園)

【戦力外/自由契約となり加入した選手】
鵜久森淳志(済美)
坂口智隆(神戸国際大付)
井野卓(前橋工)
森岡良介(明徳義塾)

 ここまでなら偶然だと思うかもしれない。プロ野球界に入る才能を持っている選手が甲子園に出ていても何ら不思議ではない。しかし、上記の選手の代わりにトレードで放出された選手を見てみると、ある驚愕の事実が浮かび上がる。

【トレードで放出した選手/トレード相手】
八木亮祐(享栄)/近藤
増渕竜義(鷺宮)/今浪
日高亮(日本文理大付)/新垣、山中
川島慶三(佐世保実)/新垣、山中
川本良平(崇徳)/田中
※日高、川島は新垣、山中と2対2のトレード

 トレードで放出された選手全員がなんと甲子園未出場なのだ。結果としてヤクルトのフロントは甲子園出場選手を獲得し未出場選手を放出したことになる。

 ちなみにFAで巨人に移籍した相川亮二(東京学館)は甲子園未出場で、その人的保証で加入した奥村展征(日大山形)は甲子園に出場している。相川を引き止めなかったのも“甲子園未出場選手”というのが理由なのだろうか。

 ここまでくると偶然とは思えないのだが、真相やいかに……。

 昨シーズンのオフに畠山和洋、川端と複数年契約を結んだが、当然のように2人共甲子園に出場している。ヤクルトの編成は「とりあえず甲子園に出場」が合言葉となっているに違いない。

 ちなみに、今オフにFAとなる可能性の高い雄平も甲子園出場組だ。果たして……。


 「とりあえず〇〇」はヤクルトだけでなく各球団に存在するはずだ。読者の方々も自身の贔屓球団で探ってみてはいかがだろうか。驚愕の新事実が浮かび上がるかもしれない。


文=勝田 聡(かつた さとし)

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