Lamigoモンキーズ(台湾)に所属する王柏融。驚くべきは昨季の成績だ。116試合に出場し、打率.414(483打数200安打)、29本塁打、105打点、24盗塁。圧巻の打率4割オーバー。もちろん、台湾プロ野球史上最高記録である。
MVP、首位打者、最多安打、ベストナイン、新人王に加え、ゴールデングラブ賞も獲得している。
その上、1993年生まれの23歳と若い。プロ入りしてからまだ2年である。
一昨年6月のドラフトで名門・中国文化大からドラフト1位でLamigoに入団し、その夏から即出場。29試合で打率.324、9本塁打をかっ飛ばすと、「大王」の呼び名を得て「大王旋風」を巻き起こした。
そんな王柏融だが、WBC本戦には出場しないことが決まっている。「台湾のニューヒーローがなぜ?」と誰もが疑問に思うが、理由はLamigoが選手供出を拒否したから。選手の消耗問題は日本やメジャーだけのことではないようだ。
王柏融の躍動がWBCで見られないのは残念な気がするが、逆に日本球界にとってはチャンスだろう。王柏融の契約は本人の意向であれば海外移籍可能という条件つきと言われている。
すでにメジャースカウトの目も向いているが、まだ23歳なら日本に来て、箔をつけてからでも遅くはないだろう。今季の成績、そして来オフの動向に注目したい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)