柳学園高から福井工業大、NTT西日本を経て、2012年のドラフト1位で西武に入団。ソフトバンクに入った東浜巨のハズレ1位だったが、今となっては結果オーライの指名。
1年目はキャンプで調子が整えられなかったことで、開幕1軍とはならなかったが、シーズン途中で昇格。すると14試合連続無失点を記録するなど、当時の西武の中継ぎらしからぬ活躍を見せる。
また先発投手を重視する西武お得意の先発チャレンジも行われ、慣れない状況のなかでも楽天を相手に4回1/3を1失点で切り抜けた。しかし筆者を含め、多くの西武ファンは中継ぎでの起用を望んでいたため、ここで勝ち負けの付かない微妙な内容になったことに、ある意味、胸をなでおろしたのは言うまでもない。
そして2年目も中継ぎで起用され、チームトップの22ホールドをマーク。そしてタイトルを獲得した昨季の大ブレイクにつながっていった。
増田の武器といえば、最速152キロのストレート。昨季の投球割合の65%を占め、被打率約20%、奪空振り率13%となっていることから、増田自身も自信を持って投げているウイニングショットだ。
筆者も昨季オリックスの糸井嘉男から空振り三振を奪ったうなるように伸びていくストレートが、今なお脳裏に焼き付いている。
一方で課題は変化球。とりわけスライダーは被打率が3割を超えてしまっているので、長きに渡って活躍するためには、ストレート+αがほしいところだ。
そして迎えた2016年シーズンは、当初の構想では昨季同様に同期の高橋朋己と勝ち継投を組む予定だった。しかし開幕戦で高橋が打ち込まれたことで、早くも配置転換が行われ守護神を任されることに。
昨季も3セーブを挙げているが、本格的なクローザーとしてのデビューとなった楽天戦では、茂木栄五郎、ジョニー・ゴームズ、藤田一也を相手に3者凡退と上々の結果を残した。
1点差ゲームをしっかりとものにできたことは、本人も自信になったとコメントしているし、チームにとっても非常に大きい。
これまで「俺達」に傷つけられたファンの心を癒やすためにも、増田には更なる活躍を期待したい。
文=森田真悟(もりた・しんご)