昨季の躍進は、正直なところ真夏に爆発した筒香嘉智に大きく依存していた。しかし、今季は筒香頼みではなくクリーンナップという「塊」に怖さがある。
今季の筒香、ロペス、宮崎敏郎のクリーンナップは、ラミレス監督の方針のもと、主砲・筒香を3番に置く配置転換から始まった。筒香との勝負を回避されることを防ぐための打順だと思われるが、これが功奏した。
そして現在、このクリーンナップの核となっているのはロペスだ。この3戦連続サヨナラもそうだった。ロペスがほとんどの場合なんとかしてくれる。広島ナイン、広島ファンからは非常に嫌な存在だっただろう。
そして、このクリーンナップの「極めつけ的存在」となっているのが宮崎だ。打率は一時よりもやや下降したものの、現在もリーグトップの数字を維持。そのボールコンタクトのうまさ、スプレーヒッティングなどバッティング技術は、多くのプロ野球オーソリティからもお墨付きを与えられている。この3人の並びはリーグ屈指のクリーンナップと言っていいだろう。
一方、投手陣はどうだろう。勝利の女神であるクローザー・山崎康晃が不可欠な存在となっているのは明らかだが、チームが勝ちを積み上げた要因はほかにもある。
筆者は濱口遥大、今永昇太というプロ1年目&2年目のフレッシュコンビが2人で18勝している点を挙げたい。おそらくシーズン終わればこの2人の合計勝ち星は20勝を超えていることだろう。濱口は戦線離脱もあったが、ルーキーとしては合格点を与えられる安定感で貢献度は高い。今永も新人王まであと一歩だった昨季の投球にさらなる磨きがかかっている。
そして、忘れてはならないのは投球と打撃の両方で貢献する助っ人、ウィーランドの存在だ。これまでDeNAは、なかなか安定感のある助っ人投手を獲得できなかったが、ウィーランドは自信をもって「当たり」と言える。こちらも途中戦線離脱はあったが、勝ち数以上の貢献ぶりを見せている。
ペナントレースはすでに折返し地点を過ぎて久しい。優勝は厳しいが、現実問題として、DeNAのメンバーは皆、なんとか2位をもぎ取りたいと考えているはずだ。
2位を実現するには、さらに何が必要か? 打線は十分な破壊力を持っている。あとは投手陣が安定感を損なわなければ2位は向こうからやってくるのではないだろうか。
まずは、2位で2年連続のCS出場。そしてCS制覇からの日本一を視野に入れて戦うDeNAの姿を楽しみにしたい。
(成績は8月28日現在)
文=元井靖行(もとい・やすゆき)