年の瀬も迫る金曜の夜、会議室は野球マニアの笑いと感嘆に包まれた。
Webエンジニアが自らの知見や体験を披露する勉強会・BPStudy。その記念すべき100回目が12月18日に開かれ、テーマはズバリ「野球」。野球愛に溢れたエンジニアたちが、今季のプロ野球をあらゆる切り口から振り返った。
BPStudyは、株式会社ビープラウドの代表取締役社長・佐藤治夫氏が、エンジニアの定期的な交流の場として2007年に立ち上げた。エンジニアなどが自分の考えを発表し、個人としてのブランディングができる場になること、IT業界のTED(様々な分野の第一線で活躍する人物を講師として招き、定期的にカンファレンスを開催しているグループ。「すごいプレゼン」で有名)を目指している。
ITの勉強会を開いている中で、佐藤氏は参加者に野球マニアが多いことに気付く。自らも筋金入りの中日ファンかつ野球好きなだけに、「発表の場を設けたら面白い」という想いを抱き、昨季の開幕前に初めて野球をテーマとした回を敢行。今季の開幕前には2度目、そして今回で3度目の開催と、着実に実績を積み上げている。野球回は「Basebell Play Study」という別名も付けられており、野球を楽しく学ぶ場として機能しているようだ。
登壇者はひいきチームのユニフォーム着用の上で発表を行う。ファン球団をはっきりさせることで、終了後のコミュニケーションを円滑にする狙いもあるだろう。IT業界特有の難しい言葉(プログラミング言語など)も飛び交うが、専門知識がなくても問題なし。どの登壇者も面白おかしく語るので、野球好きなら笑って聴いていられる。
この日の発表内容を以下に記そう
・優勝記念!まるごと東京ヤクルトスワローズ
・TLでポジろう!(2015年シーズン結果編)
・児童書で再確認する野球の楽しさ
・数字から読む信号機の精度と傾向
・こんなゴールデン・グラブ賞は嫌だ〜2015
・ファン上がりのフリーライター。そのこれまでとこれから
・引き際の美学〜aesthetics of time to quit
Twitter内の各球団ファンツイート分析や、三塁コーチ分析、賞レースへの問題提起から、ヤクルトの徹底紹介、「児童書が子育てに利く!」という体験、最後は引退選手のエピソード話と、切り口は多岐にわたる。
熱く語る登壇者の姿から見えたのは、野球への溢れる愛情。ひとり10〜15分の持ち時間を余すところなく使い切るなど、プレゼンテーションの勉強にも繋がった。僭越ながら筆者も自らの半生を伝える機会に恵まれたが、発表の場に立つだけでも良い経験となる。
佐藤氏によれば、次の野球回は来季の開幕前に行うとのこと。参加するのはもちろん、登壇者も公募で受け付けるので、「我こそは!」という人は是非発表の場へ立ってみてはどうだろうか。
株式会社ビープラウド
http://www.beproud.jp/
BPStudy#100イベントページ
http://bpstudy.connpass.com/event/21692/
Togetterページ
http://togetter.com/li/914843
文=加賀一輝(かが・いっき)