プロ野球も終盤だが、大学・社会人野球もいまがおもしろい!…今週の野球みどころランキング[9月3日(火)〜9月9日(月)]
『今週の野球みどころランキング』は、9月第1週はじめの時点で注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしておいてください!
連日の雨開幕遅れるも快勝スタート、そしてPLは異例の体制で再出発
―――高校野球
雨天中止で2日開幕が遅れた第26回18U(18歳以下)ワールドカップだったが、1日にようやく台湾・台中市で開幕。
開幕戦に地元台湾と対戦した日本は、4回に園部聡(聖光学院)のレフト前安打が相手失策を誘い先制すると、6回には奥村展征(日大山形)のタイムリー、7回には竹村春樹(浦和学院)のスクイズ、9回には森龍馬(日大山形)犠牲フライと着実に加点し4得点。
投げては開幕投手を務めた松井裕樹(桐光学園)が8回を投げ、8四死球を与えてしまったものの、3安打1失点にまとめ12奪三振。9回は山岡泰輔(瀬戸内)が先頭打者に死球を出したが後続をしっかり抑え、日本が見事に開幕戦を白星で飾った。
また来年のセンバツ出場権を懸けた秋季大会も各地で開幕しており、大阪府大会では部内暴力による6カ月の対外試合禁止処分が明けたPL学園が初戦となった府大会2回戦で、大教大池田に16-0で7回コールド勝ち。後任の監督が決まらない中、正井一真校長が監督代行を務める異例の体制で臨んだが、ひとまずは復帰初戦を飾った。
日本選手権予選、北海道と関東で代表決定
―――社会人野球
単独チーム日本一を目指す『第39回社会人野球日本選手権』(大阪ドームで10月28日〜11月8日)の各地区予選が北海道と関東で行われ激戦が繰り広げられた。
北海道予選では都市対抗に続いての全国大会出場を目指したJR北海道と、昨年初出場を果たして話題を呼んだ航空自衛隊千歳を連続して撃破し、予選突破に王手をかけていた室蘭シャークスが最終日となった1日のWEEDしらおい戦でも白星を挙げ、見事3年ぶり3度目の日本選手権出場を決めた。
関東予選では都市対抗ベスト4の東芝が富士重工に4-7で敗れ、本大会出場を逃す波乱。
他の代表決定戦では東京ガスが日立製作所を1−0、明治安田生命が新日鐵住金鹿島が2−1で、JFE東日本が鷺宮製作所を8-2で、日本通運が三菱重工横浜を4-3で、セガサミーがNTT東日本を5-3で破り本大会出場を決めた。
明治神宮大会目指し、各地でリーグ戦が開幕
―――大学野球
8月と9月にまたがったこの週末、各地の大学野球リーグで熱戦の火蓋が切られた。
まず、話題豊富なのが神奈川大学リーグ。
明治神宮大会連覇を目指す桐蔭横浜大に、岩貞祐太・西宮悠介のドラフト候補左腕候補を擁する横浜商科大など実力校が凌ぎを削るリーグが9月1日、横浜スタジアムで開幕。
開幕戦では3季連続優勝を目指す桐蔭横浜大が春5位の神奈川工科大と対戦。試合は両者譲らず0−0となり、延長戦(タイブレーク方式)に突入。10回には2点、11回には3点を取り合う激戦も、最後は桐蔭横浜大が王者の意地を見せ12回に奪った1点を抑え、薄氷の勝利。
その後行われた第2試合では、横浜商科大のエース・岩貞が初昇格となった松蔭大を寄せ付けず、4−0の完封勝ちで快勝スタートとなった。
▲岩貞祐太(横浜商科大)
また8月31日に開幕した関西学生リーグ(※近畿大の辞退により出場校は5校)では、同志社大に対した京都大が最速147キロ右腕の田中英祐の好投で8回まで0−0と食らいつくも、9回に1点を失い、0−1で惜敗。大学日本代表候補にも選ばれた同志社大・柏原史陽は開幕戦完封勝利と幸先の良いスタートとなった。
7日には5季連続優勝を目指す亜細亜大が軸の東都大学リーグ、春の大学選手権でその亜細亜大を破り初の日本一に輝いた上武大が春秋連覇を目指す関甲新学生リーグも開幕する。
ダルビッシュがついに野茂超え!
―――MLB
8月最終週、日本人メジャーリーガーは一様に苦しい一週間となった。
27日、レンジャーズ戦に先発した岩隈久志(マリナーズ)6回を投げ7安打1四球7奪三振3失点で試合は作ったものの、今季13勝目はならず。
メッツ移籍後2戦目の先発となった松坂大輔は28日に、フィリーズ戦で先発。しかし4回1/3を投げ6安打6四死球5奪三振で4失点。最後は押し出し死球で相手に勝ち越し点を奪われての降板で厳しい結果となった。
前回まさかの7失点でノックアウトされた黒田博樹(ヤンキース)は、28日のブルージェイズ戦に先発するも5回を投げ9安打2四死球で、この日も7失点を許しノックアウト。10敗目を喫した。だが指揮官であるジョー・ジラルディ監督は2試合連続の大量失点にも「チームが巻き返すために彼は必要な存在であり、次の登板を信じている」とその信頼は変わらないようだ。
30日にツインズ戦に先発したダルビッシュ有は毎回奪三振となる11奪三振を記録。これで今季通算の奪三振数を236とし、野茂英雄氏(当時ドジャース)が渡米1年目に残した奪三振数に並んだ。だが試合は、7回途中までノーヒットに抑え込んだが、7回に初安打となる同点2ランを含む2者連続本塁打を浴び3失点でリードを守れず。6敗目を喫した。
野手陣も、イチローが30日のオリオールズ戦で4打数2安打2打点2本塁打の活躍を見せるも、その日以外は凡退が多く、いまだ打率は.269、シーズン通算安打も120と未だ調子は上がっていない。またイチローを上回る141本の安打を放っている青木宣親(ブリュワーズ)も右膝痛が悪化してきており、2勤1休(2試合先発後に1試合ベンチ)のペースが続いており、低迷するチームとともに苦しい状況だ。
そんな中ア・リーグ東地区首位を走るレッドソックスの日本人救援投手陣は好調を継続している。
田澤純一は登板機会数が少なかったものの、30日のホワイトソックス戦では1失点しながらもなんとかリードを守り、最後は上原浩治が8回途中から打者4人を完璧に抑え、28日のオリオールズ戦に続き、15セーブ目。自身メジャー最多の13セーブ(2010年、当時オリオールズ)の成績を更新し続けている。
※時間はすべて現地時間、記録は8月31日現在
バレンティンついに大台50本超え、パは楽天vsロッテ一騎打ちか!?
―――NPB
早くも自力のCS進出が消滅した最下位のヤクルト。しかし、主砲のウラディミール・バレンティンが神宮球場に多くの観衆を呼び寄せている。
まず27日のホーム・神宮球場での中日戦で2本塁打を放ち、今季の本塁打数を50本の大台に乗せると、翌28日の中日戦でも3試合連発となる51号、これで月間本塁打数17本のプロ野球新記録を樹立すると、さらに翌日29日のDeNA戦でも4試合連発となる52号。残り29試合(9月2日現在)、果たして王貞治氏の記録を塗り替えることはできるのか!?
「月間〜」で言えば、首位を独走する巨人を支える村田修一が31日の中日戦で1安打を放ち、セ・リーグ新記録となる月間46本目の安打を記録。その後2得点も記録し、月間32得点とこれまたセ・リーグ新記録を樹立した。
阪神タイガースの高卒ルーキー・藤浪晋太郎は、31日の広島戦に先発し、6回を投げ6安打6奪三振1四球1失点で10勝目。これで月間4勝目(無敗)で初の月間MVPも見えてきた。31日現在で、2位につけながらも首位・巨人とのゲーム差は8.5ゲームではあるが、セ・リーグ優勝へ向け19歳の新人の躍動はこれからも続きそうだ。
一方、パ・リーグは楽天とロッテの一騎打ちとなりそうな様相を呈してきた。
28日の楽天vsオリックス戦で楽天が2−1で勝利し、優勝へのマジックが「28」と球団史上初で点灯された。29日には則本昂大が12勝目(球団新人記録)、30日には田中将大が1912年にルーブ・マーカード氏(当時ニューヨーク・ジャイアンツ)がMLBで記録して以来101年ぶりとなる開幕19連勝の世界タイ記録を樹立し、マジックを「25」にまで減らした。
しかし、ロッテも簡単には首位独走を許さず、30日から3連勝。楽天が田中で勝利後、連敗したこともあり、1日にはマジックは消滅した。
両者の直接対決はまだ9試合も残っており、パ・リーグの優勝争いから目を離すことはできない。
またプロ野球情報については…
◎優勝、CS争いなど順位に関することは
【徹底解説】今週のCS争奪戦―生き残るのはこの球団―にて
◎タイトルや個人成績に関することは
【週間詳報】2013プロ野球投打タイトル争奪戦―今、現場で何が起こっているのか?―にて
一般的な話題からコアな情報まで「いま」のプロ野球が3分でわかるような記事をお送りしております。こちらも合わせてご覧ください。
また楽天の田中も次回登板は9月6日の札幌ドームで行われる日本ハム戦が濃厚。ファイターズの先発は“二刀流”ルーキー大谷翔平が予想されており、楽しみな対戦が実現しそうだ。
プロ野球とMLBの順位争い・タイトル争いはもちろんのこと、各地で大学野球・社会人野球の重要な一戦が目白押し。
暑くなくなったと油断はせずに、熱中症対策などを万全にした上で、楽しい野球観戦ライフを今月も満喫しましょう!
■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の
『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)
twitter(@you_the_ballad)
アマチュア野球スケジュール
☆高校野球☆
開催中〜9月8日まで
第26回18U世界野球選手権大会
★大学野球・秋季リーグ戦が開幕★
以下のリーグがこれから開幕を迎える
東京新大学リーグ 9月4日
千葉県大学リーグ 9月7日
関甲新学生リーグ 9月7日
東都大学リーグ 9月7日
首都大学リーグ 9月7日
愛知大学リーグ 9月7日
広島六大学リーグ 9月7日
九州六大学リーグ 9月7日
福岡六大学リーグ 9月7日
東京六大学リーグ 9月14日
九州地区大学野球連盟・決勝トーナメント10月8日
◎社会人野球◎
日本選手権最終予選スタート
北海道代表→室蘭シャークス
東北 8月30日〜こまちスタジアム
北信越 9月14日〜ハードオフエコスタジアム新潟
関東代表→富士重工業、東京ガス、明治安田生命、JFE東日本、日本通運、セガサミー
東海 9月7日〜 岡崎市民球場
近畿 9月7日〜 わかさスタジアム京都・皇子山球場
中国 9月12日〜東広島アクアスタジアム
四国 9月14日〜高知東部球場
九州 9月11日〜サンマリンスタジアム・アイビースタジアム
9月6日〜9日 クラブ野球選手権(西武ドーム)
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