愛知の有望選手、大会展望
7月12日〜30日(岡崎市民球場ほか)
プロ評価上昇中! センバツ4強右腕・田中
各チームに軸となる強打の外野手が揃う
投手編
▲田中空良(豊川)
センバツ4強・田中に熱視線
今年のドラフト戦線に名前が挙がる県内唯一の高校生が田中空良(豊川)だ。一冬越えて腕の振りのアーム傾向が解消され、ストレートもパワーアップしセンバツで快投。それを受けてリストに挙げた球団や、「2年生の頃から好投手だと気にかけていました」(中日・中田宗男スカウト部長)という球団など、評価はさまざまだが、ドラフトでの指名も狙える位置にきた。センバツで股関節痛を発症したが、ノースロー期間を経て5月中旬には立ち投げで勢いある球を放っている。
数年後のドラフトを見据えたとき、縄田颯(愛産大工)、大井友登(東邦)も素材としての評価は高い。縄田はボールの強さが魅力。大井は投げ方がよく、ストレートとスライダーにキレがある。
公立校に好素質の大型右腕
公立校の大型右腕3投手も素材として魅力的だ。熊谷和大(高蔵寺)は体をタテに使えて腕の振りがよく、指先感覚にも秀でて制球力がある。身長185センチの杉浦大吉(知立)は、球速こそこれからの部分だが、開きを抑えたフォームから腕を柔らかく使い、打者を詰まらせる。2年春に投手へ転向した渡辺拓也(大府)も186センチと長身だ。球速は130キロ台前半だが、鎌を振り下ろすように上から腕を振る。暴れ馬タイプゆえ、荒れ球は打者にとってやっかいとなる。
一方、名門私学の主戦級ではサイドハンドの石川慎二(愛工大名電)が左打者対策としてシンカーを活用し、投球にアクセントが出た。最速140キロの粕谷太基(中京大中京)は身のこなしがよい打撃にもセンスを感じさせる。
左腕では、球に力のある大内公貴(栄徳)、リリースで球を弾いて130キロ台後半のストレートが走る馬淵裕也(新城東作手)が世代をリードする存在だ。
2年生では吐前槙哉(至学館)、福本裕亮(愛工大名電)の両左腕の素質が高く、プロのスカウトもすでにその名を認識している。
打者編
▲小林満平(中京大中京)
強打の外野手が多士済々
外野手に各チームの軸となる選手が揃った。バットが振れて脚力のあるタイプとして大沢勇介(成章)、田中惇之佑(名古屋国際)、加藤錬(享栄)が挙がる。長打力では左打者で黒野諒太郎(吉良)、原尚吾(愛知)、右打者で山本恵汰(愛工大名電)、宮沢一成(東邦)、大苫創平(桜丘)。特に山本は5月中旬時点で通算18本塁打をマーク、身長181センチと大型で今後が楽しみ。宮沢も大学や社会人を経てプロ入りを望める器だ。
内野手では、鈴木大輔(東邦)、小林満平(中京大中京)が確かな実力を備える。川口凌(春日丘)、高桑平士郎(豊川)はともに通算本塁打数が2ケタに達し、ロングヒットを打てるのが魅力。無名だが服部隼大(誠信)は身長183センチの大型遊撃手で、打席での構えに圧倒的な迫力がある。中学時代から全国大会を経験してきた。
捕手では、攻守にセンスのある氷見泰介(豊川)が筆頭。ブラジル人と日本人のハーフ・坊タクヤ(高浜)は小柄だが強肩で、二塁送球タイムは2秒を切る。池田鏡介(愛知啓成)は上背があり、右方向へ引っ張って長打を放てる。
大会展望
シード東邦に豊川はどう戦うか
今年の愛知県は、例年に比べ開幕が1週遅い第二土曜日。ノーシード校は組み合わせ次第で日程がタイトになることも。その点で、シード権を手にする東邦がやや優勢か。1年生右腕・藤嶋健人の加入で投手層が厚くなり、打者陣もシュアだ。一方、ノーシードの豊川は、主戦・田中以外にも投手が控えており優勝争いは必至だが、昨夏は初戦で敗退したように夏の戦い方がカギ。全体的には混戦模様で、中京大中京、愛知啓成、愛工大名電も圏内。工業高校の台頭も目立つ。
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