2014年は最終戦までソフトバンクと首位争いを演じたオリックスだが、2015年は5位、そして昨季は最下位に沈んだ。ただ、最下位だったものの、ソフトバンクにとっては嫌な存在だった。
昨季のオリックス対ソフトバンクの直接対決を振り返ってみると、4月、5月はソフトバンクに1勝8敗とカモにされていたオリックス。しかし、7月は3勝3敗、8月は3勝0敗、9月は3勝3敗と、優勝争いの渦中にあった「ソフトバンクいじめ」に成功した。
特に8月9日からの3連戦では、西勇輝の完封などでソフトバンクを3タテ。逆に、その翌週には一転、ソフトバンクと優勝争いを展開する日本ハムに3タテを食らい、図らずも日本ハム逆転Vへの貢献役を演じた。
ソフトバンクの天敵といえば西。2012年10月8日。小久保裕紀の引退試合でノーヒットノーランをやられたのも、ソフトバンクファンにとって忘れられない苦すぎる思い出だ。
西の対ソフトバンクの通算成績は13勝9敗。ソフトバンクから見ると、数字的にはそれほど分が悪いわけではない。しかし、優勝を逃した2012年は0勝4敗に抑え込まれ、昨季も大事なところでことごとくやられてしまった。
オリックスを倒すためには、何はなくとも「打倒・西」! 松田宣浩(18打数2安打)、今宮健太(19打数3安打)を始め、チーム打率.178、0本塁打と昨季も完全に抑え込まれた打線の奮起に期待したい。
野手陣では、ルーキーイヤーの昨季に63試合で10本塁打を放った吉田正尚は、さらに厄介な存在になりそう。
ソフトバンク戦では2本塁打4打点。優勝を争う大事な9月に2試合連続弾を放った。2試合連続での殊勲打は、オリックスファンには未来への希望を、ソフトバンクファンには絶望を与えたアーチだった。
ただ、対吉田正の被安打数を見ると35打数6安打、打率.171と、ソフトバンク投手陣がパ・リーグ5球団のなかで最も吉田正にヒットを打たれてはいない。
昨季のソフトバンク投手陣の課題のひとつは一発病。これが来季も繰り返されるようだと、吉田正に好き勝手暴れられ、再び手痛い一発をくらってしまうだろう。
過去10年のオリックスとの対戦成績は125勝97敗。勝率.563と勝ち越している。しかし、負け越したシーズン(2008年、2009年、2013年)は、いずれも優勝を逃し、2008年は最下位。2013年はBクラスに終わっている。
もともと投手の揃っているチームだけに、オリックスを調子に乗らせぬよう、前半戦で「今年もソフトバンク強いなぁ」と戦意を喪失させる戦いをしてほしい。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。広告代理業を営みながら、ライター、イベントなどスポーツ関連の仕事もこなす。生まれも育ちも北海道ながら、ホークスファン歴約40年。川崎宗則の大リーグ6シーズン目が決定! こうなりゃ、イチローが引退するまでアメリカで頑張れ!!