これで3番・梶谷、4番・筒香、5番・ロペスとクリーンアップがようやく形に。今季、初めてこの3人がスタメンに名を連ねたのが5月10日で、この日から5月25日までの13試合は9勝3敗1分け。
孤軍奮闘で、なかなか調子が上がらなかったロペスも、5月15日から25日までの7試合で6本塁打と、打ち出の小づち状態となっている。
さらに捕手に戸柱恭孝、ショートに倉本寿彦を固定できているのも見逃せない。
戸柱はドラフト4位で入団したルーキーながら、扇の要を固定できなかったDeNAにようやく現われた正捕手候補だ。
5月25日現在、ここまでの49試合で41試合にスタメン起用され、一定の信頼を得つつある。投手コーチも務める番長・三浦大輔からもキャッチングの安定感を評価されているほど。リーグトップのチーム防御率3.16は、戸柱の貢献度も高い。
一方の倉本は、ルーキーイヤーだった昨シーズンは、102試合に出場するも打率.208とイマイチだった。しかし、今シーズンは開幕からほぼフル出場で、打率.311(5月25日終了時点でリーグ6位タイ)。そして、失策がゼロ。規定打席以上のショートで、ノーエラーは12球団で倉本だけという堅実な守備を見せている。
加えて、DeNAの代打の打率.324はリーグトップ。乙坂智(代打で12打数7安打)、下園辰哉(同22打数9安打)、山下幸輝(同15打数6安打)など、勝負強さが光るバッターがベンチに控えているのは、相手チームにとって厄介だろう。このあたりは、ラミレス監督が選手の個性と調子をしっかりと把握できているからにほかならない。
昨年は交流戦前まで首位にいたのが、終わってみれば最下位と、これ以上ないほどの急降下だったDeNA。今年は、交流戦をさらなる浮上のきっかけとできるか。逆襲は始まったばかりだ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)