今年のキャンプの注目選手といえば、もちろん清宮幸太郎(日本ハム)だ。新人合同自主トレ中に右手親指を痛めたものの、キャンプ地・アリゾナへの切符を手にした。その一挙手一投足が話題になっている。
そんな清宮において気になるのはやはり打撃。高校通算111本塁打の打棒がプロでも通用するのか……というところだが、キャンプ開幕から1週間弱は大事をとって打撃練習はしていない。
だがその分、現役時代に名手としてならした金子誠コーチとともに守備練習に時間を費やしたところ、これが功奏。スローイングが見違えるほどよくなり、あらためて非凡な野球センスを見せつけた。
「清宮=打撃」というイメージからすると意外なプロの第一歩に感じるが、この守備からの流れが打撃にいいリズムをもたらすかもしれない。
また、今季のプロ野球では2段モーション解禁が話題に挙がっている。解禁によって恩恵を受ける投手も多いといわれるが、その最たる例は菊池雄星(西武)だろう。
昨季は16勝、防御率1.97を記録し、最多勝と最優秀防御率の二冠に輝いたが、フォームに物言いがついた8月23日のソフトバンク戦では3回7失点でKOされ、散々な目に合った。
西武ファンの筆者は、「物言いがなかったらリズムを狂わされず、20勝はしていたよなぁ」とボヤいたものだが、その20勝が現実になるシーズンが訪れようとしている。
スポーツ紙を見ると、評論家も「菊池の大台超え」と口を揃えているだけに、大型左腕のさらなる飛躍に期待が高まる。
今や巨人キャンプの風物詩ともいえるのが、OB松井秀喜氏による臨時コーチ。監督の座にこそ就かないものの、古巣はやはり気になるようだ。
今季は第2クールの初日からその任に就き、手始めに小林誠司(巨人)に打撃の熱血指導。昨年のWBCでブレイクしたかに見えた小林に、打撃のなんたるかを叩き込んだ。
そして2日目は、昨季の後半にチームのローテションに入って6勝を挙げた畠世周の頼みを受けてブルペンの打席へ。内角を攻められてたじろぐ姿を見せたが、演技ではなかった模様。
あとは指導した選手が、シーズンで活躍してくれた言うことなし。また来年も来訪を楽しみにしています。
シーズンで繰り広げられる真剣勝負のための練習や調整の場、それが春季キャンプであるが、いろいろな報道を見ていると高揚感を感じる。
選手とファン、ともに野球好きな人々が醸し出す「楽しい時間が始まった!」というウキウキした雰囲気が漂う。筆者自身がそういう気持ちだからかもしれないが、どこかお祭り気分であるのは間違っていないだろう。
次回はどんなキャンプ情報をお届けできるのか。楽しみながら、じっくりと選手たちの動向を追いかけていきたい。
文=森田真悟(もりた・しんご)