リリーフ陣を中心に流行の兆しを見せているのはチェンジアップ。岩瀬仁紀(中日)、高橋聡文(阪神)、石山泰稚(ヤクルト)、菅原秀(楽天)らがチェンジアップ習得への意欲を示している。
平井克典(西武)もオフのトークショーで「企業秘密の新球種を磨いている」と怪気炎を上げたが、すぐさま同席する辻発彦監督にチェンジアップであることをバラされた。
そのほか、先発勢では中川皓太(巨人)や斎藤佑樹(日本ハム)もチェンジアップで勝負をかける。なお、斎藤のチェンジアップは東スポが命名権を譲り受け、公募で決定される予定だ。
縦横だけではなく奥行き勝負も増えてきた現代野球。岩瀬が「若い子はみんな投げている」と語るようにベテランの人気を集めそうだ。
今オフ、じわりとブームになり始めているのがシンカー。菅野智之(巨人)が魔球・ワンシームを進化させ、高速シンカー習得を目指していると報じられたが、そのほかにも又吉克樹(中日)、黒木優太(オリックス)、高梨雄平(楽天)も習得を目指している。
大きなトレンドはチェンジアップとシンカーだが、まだまだ新球候補は盛りだくさんだ。
今永昇太(DeNA)はパワーカーブ、西村健太朗(巨人)はシュート、秋山拓巳(阪神)はフォーク、才木浩人(阪神)と青柳晃洋(阪神)はカットボール……と枚挙に暇がない。
ただし、この風物詩のほとんどが実用されることなく終わるのが悲しいところ。誰のどの変化球が高い壁を乗り越え、実戦で使用されるのか。オープン戦から“新魔球”に注目してみたい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)