里崎智也(元ロッテ)が部長を務めるオンラインコミュニティ「乾杯!ほろ酔いプロ野球部」主催のトークイベント『里崎智也のプロ野球語り呑み』。昨年スタートした人気イベントは2年目のシーズンに突入。11回目のゲストとして呼ばれたのが鈴木尚広だった。
ペナント順位予想やWBC・侍ジャパンの戦いぶりについてなど、さまざまな話題で盛り上がりを見せたこの日。なかでも参加者の興味を惹いたのが、「神走塁」の異名で名を馳せた鈴木が認める「神の足」は誰なのか? という議題について。現役選手も引退した選手も関係なく、歴代プロ野球選手たちのなかから鈴木が選んだ「走塁ベスト3」は以下の選手たちだった。
■1位:福本豊(元阪急)
鈴木が1位に挙げたのは「世界の福本」。シーズン最多106盗塁、通算1065盗塁、13年連続盗塁王と、走塁・盗塁について語る上では欠かすことのできない存在だ。
この1位選出に関して、「でも、福本さん(の現役時代は)見たことないでしょ!」と里崎部長が疑問を投げかけるが、鈴木は走塁技術研究のため、YouTubeなどで過去の名選手たちの走塁についてもチェックをしたという。
「投手のクイック技術が今ほどではなかった時代とはいえ、これほどの数の盗塁を成功させたのは、さすが世界の福本さん、だと思います」(鈴木)
■2位:赤星憲広(元阪神)
セ・リーグ記録の5年連続盗塁王。「レッドスター」や「赤い彗星」の愛称でファンの人気を集めた赤星憲広の名が2位で告げられると、里崎部長も「赤星は速かったなぁ」と懐かしんだ。
「トップスピードは本当に速かった。若い頃は赤星さんの盗塁を間近で見たくて、巨人ベンチにいながら赤星さんが出塁するかどうか気にかけていましたね」(鈴木)
里崎部長が「赤星がスゴいのは、土のグラウンド(甲子園)であれだけ走った、ということだよね」と語ると、鈴木もうなずきながら切り返した。
「土のグラウンドは本当に走りにくいんです。特に甲子園は、表面がやわらかくて走りづらい! そのなかで5年連続盗塁王。本当に速かったし、赤星さんの走塁技術を尊敬していました」(鈴木)
■3位:イチロー(マーリンズ)
3位で名前が挙がったのはイチロー。日米通算盗塁数707(※2016年終了時点)は福本豊についで歴代2位。45回連続盗塁成功はMLB歴代2位。40歳を超えた今も盗塁数を伸ばし続ける、まさに生きるレジェンドだ。
「イチローさんは、僕の走塁観と似ているところがある。それは、『無駄な走塁はしない』ということ。アウトになることはチャンスを潰すこと。確率の高いものに対して、確実に決めるのがイチローさん。だから、あれだけ成功率が高いんです。決めるべくして決める……。これ、カッコよくないですか? でも、当たり前のことを当たり前にやるって、皆さんが思っている以上にスゴイことですからね」(鈴木)
NPBにおいて、「当たり前のことを当たり前にやる」を実戦し続け、代走での通算盗塁数日本記録を打ち立てた男の言葉だからこその説得力があった。
イベントでは、この上位3人にさらに2人を加えた、ベスト5の名前を予想する観客参加型のトトカルチョ「鈴木尚広スプリンターズステークス」も実施。大石大二郎、西村徳文、高橋慶彦、松本匡史、石井琢朗、屋鋪要、飯田哲也、松井稼頭央、西岡剛、片岡治大、梶谷隆幸、西川遥輝、鈴木尚広……。このなかからベスト5を見事に当てた人がいたことに驚かされる。観客の野球リテラシーの高さを物語っているだろう。
こうした観客参加型の企画も『里崎智也のプロ野球語り呑み』の名物のひとつ。毎回、趣向を凝らした企画が用意され、白熱する展開がおなじみになっている。
次回の『里崎智也のプロ野球語り呑み』は4月27日(木)。ゲストは先日、正式な引退を表明したばかりの元中日の大エース・川上憲伸だ。里崎部長の一つ年上で、同じ徳島県出身。2人は高校時代に対戦したこともあるというから、里崎ファンも憲伸ファンも今まで聞いたことのない“ぶっちゃけトーク”が飛び出す可能性は大だ。
イベントのチケットは既に発売中。詳しくはオンラインコミュニティ
「乾杯!ほろ酔いプロ野球部」のイベントホームページ
(https://bukatsu.hikaritv.net/campaign/0025/)でチェックを。
(記事中、敬称略)
取材・文=オグマナオト