昨夏、東海大相模の左の本格派エースとして全国制覇を果たし、中日から1位指名(2球団競合)を受けた小笠原慎之介。
5月24日に1軍登録されて以降、先発として7試合、リリーフとして3試合の合計10試合に登板するも、0勝5敗と、いまだ勝ち星に恵まれていない(8月24日終了時点)。
小笠原は、先発したときはそれなりにゲームは作っているのだが、チーム状態が芳しくないだけに、ルーキーを打線がフォローできていないのが実情だ。
8月20日のDeNA戦でも、初回に筒香嘉智に2ランを浴びるも、その後は立ち直って好投。しかし、1対2で敗戦投手となってしまった。それでも、自身最長となる7回を投げて2失点と、投球内容は進境を見せている。投打が噛み合えば、初勝利も近そうだ。
昨夏、小笠原の東海大相模と決勝を戦い準優勝だったのが仙台育英。そこで「3番・ショート」として活躍し、ロッテに1位指名(2球団競合)で入団したのが平沢大河だ。
1軍初登録は5月11日。そこから6試合に出場するも、10打席無安打6三振とプロの厳しい洗礼を浴び、無念の2軍落ち。7月30日に再登録さてからも苦難のバッターボックスが続いていたが、8月17日の楽天戦で、デビューから24打席目にしてようやくセンター前に初ヒットを放った。
それで吹っ切れたか、8月23日まで6試合連続安打をマークし、打点も20日、21日、23日と3試合連続で記録。プロの水に慣れつつある。
定評のあった内野守備でも、雑な悪送球などで2失策がついているものの、随所に軽快なグラブさばきを見せている。
関東一の主力メンバーとして活躍したオコエ瑠偉(DeNA)。昨夏は準決勝で東海大相模に敗れたが、俊足強打の外野手として大いに甲子園を盛り上げた。
プロでは、球団初となる高卒ルーキーの開幕1軍を果たし、代走や守備固めで起用されていたが、平沢と同様に、打撃では苦労。記念すべき1本目のヒットは、一旦2軍落ちを経験し、再度1軍に昇格してからの2試合目、5月31日の阪神戦。榎田大樹から放った鮮やかな流し打ちでのライト前ヒットだった。
その後、チーム事情もあって8月4日に再度の2軍行きとなったが、現時点で、1軍で51試合に出場は、高卒ルーキーとしては上々。守備、走塁は計算ができるので、あとは打力の向上が課題か。
ソフトバンクから1位指名(3球団競合)を受けたのが、昨春のセンバツでベスト8まで進出した県岐阜商でエースだった高橋純平だ。
まだ1軍登板はないが、ファームで「中10日&80球の球数制限」を設け、成長を促しつつじっくり調整中。7月14日に行われたフレッシュオールスターゲームでは、1イニングを投げ最速154キロを計測。オコエを三振に切って取った。その潜在能力から、近い将来のエース候補であることは間違いない。
文=藤山剣(ふじやま・けん)