「キングカズ」ことサッカー界のレジェンド・三浦知良(横浜FC)。今月26日に50歳の誕生日を迎えたが、今季も現役続行。キャンプでは、息子のような年齢のチームメートとともに汗を流し、元気な姿を見せている。
カズがサッカー王国・ブラジルでプロなることを目指し、彼の地へ渡ったのは15歳のとき。1982年、静岡学園を中退してのことだった。そして、1986年にサントスFCと念願のプロ契約を結んだ。
これを今の高校野球になぞらえると、例えば昨秋、清宮幸太郎のいる早稲田実で4番に座った野村大樹(当時1年)がアメリカに渡り、マイナーリーグに飛び込むようなものだ。
カズは「無謀」と言われた挑戦を実らせ、日本サッカー界を支えるプレーヤーとなった。今も30年以上に渡るプロ生活を続けている。
しかし今シーズンは、2月8日の練習試合で左足の親指を4針縫うケガを負い、開幕戦出場に黄信号が灯ってしまった。横浜FCの開幕日は奇しくもカズの誕生日と同じ2月26日。元気な姿でピッチを走りまわる姿を期待したい。
日本人女子初のグランドスラムベスト4入りを果たした伊達公子。言わずと知れた女子テニス界のレジェンドだ。
一度は現役を引退したものの2008年に突然の現役復帰。心配する声をよそに、2009年からは4大大会にも再び参戦し、全仏オープンで勝利を挙げるなど元気なところを見せてくれた。しかし、昨年2月にヒザの手術を行い、4月にも再手術。現在は復帰に向けてリハビリを行っている。
伊達は1989年にプロに転向し、ツアーデビュー。プロ野球に例えると、1988年にドラフトで指名され、1989年にルーキーイヤーを送った選手と同期になる。その年のドラフト1位選手は今中慎二(中日)、谷繁元信(大洋)、川崎憲次郎(ヤクルト)ら……。時の流れを感じさせる。
1970年9月生まれの伊達は現在46歳。体力的には厳しいが、復帰を目指してトレーニングに励んでいる。今シーズン中に再びコート立つ姿を見たい。
2014年のソチ五輪、ラージヒル個人で銀メダル、団体で銅メダルを獲得したスキー界のレジェンド・葛西紀明。1992年のアルベールビル五輪から数えて7度の五輪に出場。ソチ五輪のメダルはリレハンメル五輪のラージヒル団体で獲得した銀メダル以来20年ぶりの獲得だった。
昨シーズン、新井貴浩(広島)が11年ぶりにベストナインを獲得したが、葛西の「獲得ブランク」には遠く及ばない。プロ野球でのタイトル獲得における最長ブランクは2002年の最優秀防御率を獲得した桑田真澄(当時巨人)の15年ぶり。葛西はそれすらも上回っている。あらめてそのレジェンドぶりがわかる。
44歳になった葛西は今シーズン、最高成績が10位と苦戦している(2月14日現在)。しかし、2018年の平昌五輪を目指す葛西は「こういうシーズンがあってもおかしくない」と語り、至って冷静だ。来年も日本のベテランエースとして平昌五輪の表彰台に登ってもおかしくない。
文=勝田 聡(かつた さとし)