1(二塁):金山次郎
137試合:打率.311/7本塁打/67打点/74盗塁
2(三塁):三村勲
126試合:打率.265/16本塁打/72打点/13盗塁
3(中堅):小鶴誠
130試合:打率.355/51本塁打/161打点/28盗塁
4(右翼):岩本義行
130試合:打率.319/39本塁打/127打点/34盗塁
5(一塁):大岡虎雄
135試合:打率.281/34本塁打/109打点/6盗塁
6(左翼):吉田和生(猪佐喜)
91試合:打率.261/13本塁打/49打点/2盗塁
7(捕手):荒川昇治
132試合:打率.268/3本塁打/51打点/25盗塁
8(遊撃):宮崎仁郎
135試合:打率.273/3本塁打/58打点/17盗塁
9(投手):真田重男(重蔵)
73試合:打率.314/2本塁打/36打点/2盗塁
控え(左翼):木村勉
102試合:打率.292/3本塁打/37打点/14盗塁
小鶴誠の161打点(歴代シーズン打点1位)を筆頭にクリーンアップが100打点以上を記録。破壊力もさることながら、機動力もズバ抜けていた。1番・金山次郎が74盗塁と走りまくれば、小鶴、岩本義行らも激走し、チーム盗塁数は223個。1956年の阪急に次ぐ歴代2位のシーズン記録で、4番の岩本はNPB史上初のトリプルスリーを達成している。
ちなみに後半戦で主に2番を務めた三村はなんと犠打ゼロ。バントなしで強攻するスタイルだった。主戦投手の真田も打率3割と打ちまくった。
5番・大岡虎雄の経歴も面白い。38歳とベテランの域で助監督を兼任していたが、実はプロ2年目。それまでは社会人野球の強豪・八幡製鐵所で長年プレーし、「八幡の虎」の二つ名で鳴らした強打者だった。
打ってよし、走ってよし。打と走が見事に誘発しあうスタイルから「水爆打線」と名付けられた。この年に生んだ98勝はいまもなお、セ・リーグのシーズン最多勝利記録だ。
文=落合初春(おちあい・もとはる)