まず、ソフトバンクと日本ハムの過去10年の順位を比較してみよう。
1位:ソフトバンク4回/日本ハム4回
2位:ソフトバンク1回/日本ハム2回
3位:ソフトバンク3回/日本ハム2回
4位:ソフトバンク1回/日本ハム1回
5位:ソフトバンク0回/日本ハム0回
6位:ソフトバンク1回/日本ハム1回
なんと優勝回数はともに4回。さらにAクラスの回数もともに8回で、最下位も1回ずつ。この10年間の喜んだ回数と、悔しかった回数がここまで同じなのも珍しい。
ちなみにソフトバンクが最下位に沈んだ2008年、日本ハムは3位に終わり3連覇を逃した。また、日本ハムが最下位の2013年、ソフトバンクは4位。5年ぶりのBクラスに終わっている。
対日本ハムという観点からの戦力分析となると、大谷翔平を抜きには語れない。昨季のソフトバンクは、大谷にやられまくった一年だった。大谷の昨季の通算成績と対ソフトバンクの成績は以下の通り。
■投手・大谷翔平の2016年通算成績
21試合:10勝4敗/防御率1.86
■投手・大谷翔平の2016年対ソフトバンクの成績
4試合:2勝0敗/防御率1.26
■打者・大谷翔平の2016年通算成績
104試合:打率.322/22本塁打/67打点
■打者・大谷翔平の2016年通算成績
21試合:打率.411/9本塁打/16打点
筆者の住む北海道では昨年末に、日本ハムが日本一へと至る軌跡を特集した番組が各局で放映されたが、どの番組でも「ソフトバンク戦に大谷が1番・投手で出場し、先頭打者ホームランを放ったシーン」と、「クライマックスシリーズのソフトバンク戦で大谷が165キロをマークしたシーン」がガンガン流れ、気分的には3年くらい続けてやられた気分になってしまった(苦笑)。
なお、ソフトバンクが連覇した2014年と2015年では、大谷の対ソフトバンクの成績は以下のようになっている。
■投手・大谷翔平の2014年対ソフトバンクの成績
4試合:1勝2敗/防御率.3.52
■打者・大谷翔平の2014年対ソフトバンクの成績
14試合:打率.286/2本塁打/3打点
■投手・大谷翔平の2015年対ソフトバンクの成績
4試合:1勝2敗/防御率6.58
■打者・大谷翔平の2015年対ソフトバンクの成績
13試合:打率.100/0本塁打/1打点
2年間は大谷を封じ込めていたことがわかる。
大谷は「ソフトバンク戦ではギアを上げる」と話していたが、その言葉通り、逆に昨季はギアを上げられっぱなしで見事にやられてしまった。
大谷を抑えないと、また日本ハムにやられてしまう……。「打倒大谷」こそ、V奪還への至上命令だ。
開幕3連戦でソフトバンクとぶつかるロッテは、次のカードで日本ハムと対戦する。
5月13日からソフトバンクと2連戦の楽天は、次のカードで日本ハムと対戦。5月16日からソフトバンクと3連戦のオリックスは、次のカードで日本ハムと対戦。さらに、5月20日からソフトバンクと2連戦の西武は、次のカードが日本ハム戦……。
このようにシーズン終了まで、なんと16度に渡って、他の4球団がソフトバンクと戦った次のカードで日本ハム戦を迎えるか、または、その逆で日本ハムと戦った次のカードでソフトバンク戦を迎える日程になっているのだ。
もし、あるチームがソフトバンクに3連勝した次のカードで、日本ハムに3連敗してしまうと、日本ハムに追い上げられたり、差を引き離されたりしてしまう。この日程は要注意だ。
また、昨季は各チームがソフトバンク戦にエース投手をぶつける「ソフトバンク包囲網」を敷いているように感じさせるローテーションが多々見られた。今季、各チームはソフトバンク戦にエースをぶつけるのか。それとも「日本ハム包囲網」にシフトチェンジするのか。
各チームの先発ローテーションもペナント争いを大きく左右しそうだ。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
北海道生まれ北海道育ちも、ホークスファン歴約40年。北海道日本ハムファイターズの本拠地がある札幌市在住で広告代理店を営む47歳。ソフトバンクと日本ハムの今季の初対決は、4月11日からの札幌ドームでの3連戦。もちろんビジター席で応援します!