昨シーズンのポストシーズンで活躍したアンドリュー・ミラー(インディアンズ)は、アメリカ代表としてWBCに参加。初登板となった1次ラウンドのドミニカ共和国戦で大炎上し敗戦投手となったものの、その後の3試合は無失点に抑え、役割を果たした。2回2/3を投げ奪三振5はさすがのひとこと。
シーズンに入るとここまで15試合に登板し、失点0。17回1/3を投げ23奪三振と圧巻の投球を披露してえる。絶対的なセットアッパーとして今シーズンも好投が期待できそうだ。(※編集部注 5月16日に今季初失点を喫した)
ドミニカ共和国代表として参加したアービン・サンタナ(ツインズ)。2次ラウンドの最終戦となったアメリカ戦に先発するも、4回途中4失点でノックアウト。結果を残すことはできなかった。
しかし、シーズンに入ると別人のように好投を続け、4月は4勝0敗、防御率0.77とツインズ躍進を支えている。5月に入り1敗を喫したものの6勝1敗、防御率1.50の成績は見事。
今シーズンは、2008年にマークしたキャリアハイの16勝7敗、防御率3.49を超えたい。
ミラー、サンタナとは対照的に不調なのが、コロンビア代表の2枚看板としてフリオ・テヘラン(ブレーブス)とともにチームを引っ張ったホセ・キンターナ(ホワイトソックス)だ。
オフシーズンにはトレードの噂がささやかれたこともあり、今シーズンの動向が注目されていたが、ここまで2勝5敗、防御率4.38と苦しんでいる。
1イニングに走者をどれだけ出したかを示す指標・WHIPは1.42(昨季は1.16)。1試合で与四球をいくつ出すのかを示す指標・BB/9も4.2(昨季は2.2)といずれも悪化。制球が定まらず多くの走者を背負っていることがわかる。
4年連続で200イニングを投げている鉄腕だが、WBCの疲弊が影響しているのだろうか。巻き返しに期待したい。
今シーズンからマリナーズへ移籍したジーン・セグラが好調だ。昨シーズン、ダイヤモンドバックスでは二塁を守っていたが、今シーズンはブルワーズ時代と同じ遊撃でプレー。メジャー球界を代表する二塁手のロビンソン・カノと二遊間を組んでいる。
ドミニカ共和国代表として臨んだWBCで、セグラは打率.364(11打数4安打)と好成績を残し、シーズンに突入。開幕戦からマルチ安打をマークするなど、そのまま好調を維持している。
打率.317で5月を迎えたが、そこから打率.371とさらに調子を上げてきた。マイク・トラウト(エンゼルス)らとアメリカン・リーグの首位打者を争っている。
WBCでは、オランダの強力打線をバレンティン(ヤクルト)らと牽引したザンダー・ボガーツ(レッドソックス)も打率.339と好調。3年連続のシルバースラッガー賞受賞へ向け視界良好だ。
シルバースラッガー賞のライバルは前述したセグラとなる可能性が高い。
昨シーズンはキャリアハイの打率.302、34本塁打をマークしたフレディ・フリーマン(ブレーブス)。WBCにはカナダ代表として出場。大きな期待をかけられたが、打率.182(11打数2安打)と低調に終わった。
しかし、シーズンが始まると打率.344、12本塁打と昨シーズンのキャリアハイを上回る勢いをみせている。低迷するチームでひとり気を吐いており、キャリア初となるタイトル獲得を目指す。
2度の本塁打王に輝くホセ・バティスタ(ブルージェイズ)は調子が上がってこない。ドミニカ共和国代表として参加したWBCでは打率.333(18打数6安打)、1本塁打、5打点と役割を果たしたが、シーズンは不調で始まった。
開幕から打率1割台に低迷。今季の初本塁打はチーム16試合目の4月21日と、昨シーズンの6試合目(4月9日)より10試合も遅れている。
ブルージェイズは開幕から下位に低迷し、苦しんでいる。今シーズン、チームからは強打者のエドウィン・エンカーナシオン(現インディアンズ)が抜けた。上位浮上のために、バティスタのいち早い復調が待たれる。
(成績は5月15日現在)
文=勝田 聡(かつたさとし)