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3年連続65試合登板へ。今年は見事な火消しも。フル回転続く楽天・福山博之の鉄人ぶり


 いやはや、この投手のフル回転には本当に目頭が熱くなる。杜の都で躍動する福山博之(楽天)の話だ。今年も背番号65と同じ登板数を目指し、熱いピッチングが続いている。

この10年間、パリーグでは前例のない3年連続65登板へ


 9月11日現在、福山はリーグ最多の61試合に登板。投球回61.2、防御率2.63、4勝4敗18ホールドの成績を残している。

 今年は開幕からしばらく不調の時期もあった。しかし、苦境を乗り越え、5月18日以降の44試合では防御率1.60。大いに敵の戦意をくじく活躍で、「3年連続65試合登板」は確実な状況だ。

 もし「3年連続65試合登板」が達成となれば、この10年間パ・リーグでは唯一、セ・リーグを見渡しても巨人・山口鉄也が2008年から2010年に記録して以来、2人目の快挙だ。


1人何役? 神出鬼没の活躍劇


 福山は、今や楽天のブルペン陣になくてはならない存在だ。1軍投手コーチの小山伸一郎が「6年連続45登板」に終止符を打った2014年、その役割を引き継ぐかのように台頭、初の65登板を記録した。そして今年も、ありとあらゆる場面で起用されている。

 その「61試合登板」の内容を確認してみよう。

 まずは点差。最も多いシチュエーションは2点差以内の接戦で、38試合に登板。また、3点以上リードしている展開では14試合に登板している。しかし、3点以上の負けている展開でも9試合に登板。試合がほぼ決まったといえる5点差以上つけられた展開でも12試合で使われている。

 イニング別では「29試合登板」の7回が最多。しかし、延長戦でも5試合、先発投手が早々に崩れた5回以前でも5試合に登板。6月8日のヤクルト戦では3回にマウンドへ向かう珍光景もあった。

サブちゃんに負けず劣らず見事な火消し役を名演!!


 また、回またぎは8試合、うち2イニング以上は4試合だ。セットアッパーから敗戦処理、ロングリリーフまで神出鬼没だが、なでも注目は、「走者あり」の場面で登板したときの活躍だ。

 往年の時代劇『暴れん坊将軍』で北島三郎が町火消し「め組」の辰五郎を名演したように、サブちゃん似の福山も消火活動に目覚ましく勤しんでいる。

 「走者あり」で15試合、そのうち複数走者を背負っての登板は10試合。前の投手が塁上に残した走者は合計29人を数えるが、本塁への生還を許したのはわずかに4人。

 火消しで出ていったときの成績は27打数2安打、被打率.074。8月28日オリックス戦ではノーアウト満塁で投入され、3人の打者を連続アウトに取る圧巻の内容で1点も許さなかった。

 楽天はオールスターゲーム明けの後半戦、新外国人選手の打棒が爆発。早くも来季が楽しみになるほど、打線が活気づいている。梨田昌孝監督は近鉄時代も日本ハム時代も就任2年目でリーグ優勝。楽天での2年目となる来季、チームが2度目のチャンピオンフラッグを手中にするには、福山の活躍は欠かせない。


文=柴川友次(しばかわ・ゆうじ)
信州在住。郷里の英雄・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドに見える、楽天応援の野球ブロガー。各種記録や指標等で楽天の魅力や特徴、現在地を定点観測するブログを2009年から運営の傍ら、有料メルマガやネットメディアにも寄稿。

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