【2015夏の高校野球】《和歌山観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド
7月9日〜24日(和歌山県営紀三井寺野球場)
投打充実の智辯和歌山、聖地復帰目指す
90本塁打男・黒瀬の豪快スイングは必見
☆★☆ 投手編 ☆★☆
●下級生時から活躍の好投手が揃う
1年秋からエース級の活躍を見せてきた齋藤佑太(智辯和歌山)は、キレのあるストレートを内角にテンポよく投げ込む。昨秋は県大会の日高中津分校戦で初回に満塁弾を浴び敗退したが、今春は安定感も増し春の県大会を制覇。万全を期して昨春以来の甲子園を目指す。齋藤の後ろで期待を集めるのは本格派左腕の平田翔真(2年)。打者の懐をグイグイ攻めるストレートは140キロ近くまで伸びた。投球術に磨きがかかれば、今秋以降も目が離せない逸材だ。
サイドスローから球威あるストレートを投げ込む津森宥紀(和歌山東)は昨秋、近畿大会初戦の北大津戦で打ち込まれたが、課題だった制球力が向上、投球の幅を広げている。チームメートの出島史也は、三塁手ながら威力のあるストレートを持つ注目の好投手だ。
栗栖悠太(日高中津分校)は、サイドスローからコーナーを丁寧に突く投球が持ち味。冬場の走り込みでスタミナがつき、終盤になっても大崩れしなくなったのは心強い。小川祐一郎(南部竜神分校)は1年春に投手に転向、その秋にエースの座に。キレのあるスライダー、カーブを織り交ぜ、巧みな投球術を見せる。ヒジの使い方が柔らかく、伸びのある球を投げるため、まだまだ成長曲線を描いていきそうだ。瀬岡渉(紀北工)は、カーブ、スライダー、スプリットなど多彩な変化球を操る。ピンチでも動じない強心臓の持ち主だが、制球に課題がある。低めのストレートのコントロールに磨きをかけたい。棟羽祥之(初芝橋本)は、低めを丁寧に突く制球力の高さで勝負する。
▲齋藤佑太(智辯和歌山)
☆★☆ 打者編 ☆★☆
●一振りで決める右の長距離砲たち
高校通算90本塁打を超える黒瀬健太(初芝橋本)は類いまれなパワーの持ち主で、ライナー性の強い当たりを連発する強打者。春先に肩をケガしたため、今春は一塁手として様子を見ながらプレーしたが、それでも強いスイングを披露し、非凡なセンスを見せた。
智辯和歌山では、1年秋から3番に座る山本龍河がこの冬、体重を5キロアップさせ、力強い打球を放っている。今年は5月途中の段階で早くも10本塁打を超えており、守備面など課題は残るが、強力打線復活の中心的存在であることは間違いない。4番の西山統麻はパンチ力があり、勝負強さは折り紙付きだ。5番の春野航輝は184センチ94キロの体からパワフルな打撃を見せる。昨春のセンバツでは明徳義塾の岸潤一郎(拓殖大)から3安打するなど実績も十分。今夏注目の1人だ。
久保和馬(紀央館)は、思い切りのいいスイングから長打を放ち、高校通算本塁打は30本を超える。入学してすぐに背番号2を背負うなど経験値は高く、的確な判断力でチームを牽引する。出羽遼大(田辺)は、鋭いスイングから長打を放ち、将来性を感じる。岡崎豊、増田雄亮(ともに日高中津分校)は1年から中軸に座り、勝負強さに磨きがかかった。早田宏遥も同様で、昨秋、齋藤(智辯和歌山)から満塁弾を放つなど一発も兼ね備える。1年秋から1番を打つ158センチの富山海(箕島)は俊足の巧打者で、内外野をこなせるユーティリティープレーヤーだ。
▲黒瀬健太(初芝橋本)
☆★☆ 大会展望 ☆★☆
●最大の注目は智辯和歌山の安定度
ここ2年、夏の聖地から遠ざかっている智辯和歌山の戦いぶりに注目が集まる。山本、西山、春野のクリーンアップは脅威で、下位にも強打者が揃う。エース左腕の齋藤も順調な仕上がりを見せており、投打の柱が安定。その智辯和歌山打線を昨秋、今春と牛耳ったエースの栗栖悠太(日高中津分校)はどんなピッチングを披露するのか。高校通算90本塁打の黒瀬健太(初芝橋本)や、津森宥紀のいる和歌山東など楽しみなチームも多い。センバツ出場の桐蔭にも注目だ。
地区勢力ピラミッド
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