間もなく開幕を迎えるプロ野球。オープン戦を通して、今季のブレイク候補も見えてきた。2019年、グッと出場機会を伸ばしそうな選手をピックアップしよう。
(※オープン戦成績は3月21日現在)
プロ10年目を迎える長身右腕・国吉佑樹が本格化の匂いを出している。2014年に49登板を果たしたが、その後は波に乗れずにブレイクしきれず。しかし、今季はオープン戦から自己最速を立て続けに更新し、159キロに到達。節目の年に本格ブレイクが期待される。
侍ジャパンにも選出された未来の大砲。1年目からイースタン・リーグで17本塁打を記録し、オープン戦でも積極的にスタメン起用されている。1軍でも20本塁打を狙える器だ。
新外国人のマルテが早々に期待はずれなムードを漂わせているが、ならば影の薄かった2年目を迎えるナバーロの出番。昨季は途中入団ながら、打率.276、出塁率.342を記録し、ある程度の適応力を見せた。オープン戦でも2打席連発を見せ、状態は上向き。外国人野手では珍しいケースだが、2年目の覚醒に期待したい。
昨季途中にトレードでソフトバンクから阪神に移籍。即戦力にはなれなかったが、ソフトバンク時代から安定した成績を残しており、先発でもリリーフでも投げられる左腕で便利屋のポジションは容易に手に入る。ギラギラ感が出てくれば、上昇も目の前。
社会人出身の4年目。サイドスローの変則派。昨季は11登板で防御率1.54をマーク。オープン戦での登板ではヌルッとした“遅球”で打者を翻弄する場面が目立った。ロッテ投手陣が抱えるリリーフの不安を埋める存在になれそうな出来だ。
金子弌大、西勇輝が流出し、先発枚数に不安を抱えるオリックスでは高卒3年目の榊原翼が開花の兆し。昨季は5登板3先発で防御率3.50の結果を残したが、今季もオープン戦から絶好調。3月17日の広島戦では7回を1安打無失点に抑える快投を見せた。
育成出身の榊原とともに猛プッシュしたいのは、育成2年目の東晃平。球速こそ140キロ台中盤だが、切れ味がすばらしく、筆者が見た高校3年春の投球は「歴代ナンバーワン」クラス。その後、腰の疲労骨折などがあり、育成まで評価を落としたが、プロ1年目から社会人チームなどを相手に好投を見せている。金子弌大の後継者になれるセンスの持ち主。「お買い得」だったといわれるのも時間の問題。
則本昂大が故障離脱の楽天ではトレード加入の福井優也に期待。シュートで内角を突く投球はパ・リーグで冴えるはず。ローテ入り確実で最後のブレイクチャンス。
文=落合初春(おちあい・もとはる)