週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

チームへ新たな息吹を吹き込むか? 2016年のプロ野球で注目すべきFA残留4選手

「宣言」が大きく取り沙汰されるFAだが、球団にとっては「非行使」「残留」ほど心強いものはない。残ってくれるだけでチーム力が維持できるし、残留した選手は「このチームで優勝したい!」といった強い志を持って残るので、チームメイトへ好影響をもたらしてくれるからだ。

 そして昨年のオフは、主にこの4人が逡巡の末にチーム残留を決断した。改めてその選手たちをチェックしていこう。


松田宣浩(ソフトバンク)


 かつては「メジャーリーグに興味がない」という発言をしていた松田が、昨年オフに突如海外FA権を行使。誰もが驚いたが、年齢的にラストチャンスなだけに、「自分の評価を聞きたい」という気持ちに正直に生きた結果だったのだろう。


 結果的には宣言残留という形で、元の鞘に収まったわけだが、これは改めて王者・ソフトバンクに死角がなくなったことを意味する。

 成績面で計算できる上、侍ジャパンでもムードメーカーを務める“熱男”なだけに、ベンチにいてくれれば他の選手も心強いはず。

 ソフトバンクにとっては、まさに松田の残留が最大の補強となった。


畠山和洋(ヤクルト)


 打点王を獲得し、チームを14年ぶりの優勝に導くなど、昨年は畠山のプロ野球人生の中でも最高の1年に。

 そして、その年にFA権を獲得。まさに“売り時”だったことから動向が注目されていたが、畠山いわく「いろいろ考えた結果」残留することとなった。


 楽天が興味を示していたことから、宣言すれば地元・東北の球団への移籍が実現したかもしれない。しかし10年以上お世話になって、ようやく恩返しができた球団に対しての義理もあったに違いない。

 この気持ちがあれば、今年も再びタイトル獲得を期待できる!


嶋基宏(楽天)


 侍ジャパンのキャプテンを務めながら、チームでは控えに甘んじることもしばしばあった嶋。それだけに複数年契約の最中ではあるが、途中で破棄できるという条項が盛り込まれているとされていたことから、ついに移籍か? と思われたが、フタを開けれてみれば残留。

 確執がささやかれた大久保博元監督が退団したことに加え、嶋を重用してチームを日本一に押し上げた星野仙一シニアアドバイザーが球団副会長になり、チーム改革を進めたことも残留を後押ししたのだろう。


 今年は星野副会長の名の元に集まった精鋭と力を合わせ、捲土重来を期す!


藤井淳志(中日)


 かつては“守備の人”だったが、ここ3年は打撃でもコンスタントに成績を残した藤井。チームに必要な選手になってきた、という自負が芽生えた中で、FA権を取得したものの、当初球団からは特に引き止め要請らしい話はなかった。

 そんな球団の態度に業を煮やした藤井は、FA宣言を視野に入れる。しかし谷繁元信監督の「必要な選手」という言葉が、藤井の気持ちを一気に残留へ傾けた。


 球団に対するわだかまりは消えないかもしれないが、「谷繁監督を胴上げしたい」というモチベーションがある限り、打撃も守備も更に進化していくだろう。


★真の強者を決める2016年シーズン

 残留を決めた彼らに対して、他球団のファンには「移籍してほしい」という気持ちもあったと思う。しかし、彼らが残留した完全体のライバル球団を倒すことこそ、最高に価値があるはずだ。

 強いチームがしのぎを削るから、ペナントレースは熱くなる。そして面白くなる。残留した選手、チームのファンであってもなくても、残留選手の一挙手一投足に、ぜひとも注目しよう!


文=森田真悟(もりた・しんご)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方