日に日に秋めいて来る季節。今年のドラフトは10月25日。気が付けば目前に迫っている。
今回は各球団の補強ポイントを探り、オススメのドラフト候補を紹介したい。まずはパ・リーグ編!
(※成績は10月8日現在)
■補強ポイント
即戦力リリーフ
■おすすめ選手
甲斐野央(投手/東洋大)
久々に優勝の美酒を浴び、打線の充実ぶりが目立つ西武だが、ご存じの通り、投手陣は不安が山盛り。チーム防御率はリーグ最下位を独走している。
菊池雄星のメジャー挑戦、浅村栄斗のFA移籍の可能性もあるが、投手陣さえ強化すれば、来年以降も優勝が狙えるはずだ。
先発、リリーフともに穴があるが、どちらかといえばリリーフが至急の補強ポイント。今年のドラフト候補で即守護神の可能性を秘めるのは、最速159キロ右腕・甲斐野央(東洋大)だ。侍ジャパンU-18代表との壮行試合でも神宮球場で158キロをマークしたように150キロ台はいつでも出せる投手。さらに140キロ超の高速スプリットで三振を奪える。
先発タイプに食指を伸ばしそうだが、今井達也、?橋光成、相内誠の成長を待ってもいいのでは?
■補強ポイント
若い野手
■おすすめ選手
根尾昂(大阪桐蔭高)
優勝こそ逃したが、強さは健在。余裕のあるうちに高校生をしっかり指名しており、チーム編成に偏りはあまりない。強いて挙げれば、野手陣の世代交代を見据えたい。
今季は松田宣浩が32本塁打と気迫の打棒を見せたが、もう35歳。松田が就く三塁は意外と助っ人で補強しにくいので、狙って育てる必要がある。狙いは長打力のある高校生がベストか。
まずは根尾昂(大阪桐蔭高)が挙がるだろう。二刀流への注目も集まるが、遊撃手としての評価が高い。パワフルな肩が魅力的で二遊間というよりは三遊間向きのアジリティと見た。遊撃でも三塁でも通用しそうだ。
根尾の指名が重複して抽選に外れた場合、大砲候補として野村佑希(花咲徳栄高)、野村大樹(早稲田実)が獲れれば成功といえるだろう。
■補強ポイント
先発投手
■おすすめ選手
上茶谷大河(東洋大)
「札幌ドームでホームラン」が毎年の合言葉になりつつあるが、今年のドラフト候補を見渡すとガッツリした大砲には欠ける。ドラフト方針として「その年の一番いい選手」の合言葉はあるが、実はニーズに寄せた指名をしているのを忘れてはならない。
現段階でニーズが高いのは先発陣。杉浦稔大をトレードで獲得したようにすでにノドから手が出ている。「その年一番」の方針と即戦力先発のニーズを掛け合わせれば、安定感のある上茶谷大河(東洋大)がヒット。そのほか、松本航(日本体育大)も候補に挙がる。
■補強ポイント
先発投手
■おすすめ選手
吉田輝星(金足農高)
小園海斗(報徳学園高)の一本釣りを狙う雰囲気を存分に出しているオリックス。確かに二遊間を含め、次世代のチームの中核を担う野手は必要。その方針に間違いはないといえる。
ただ、もうひとつの課題は先発投手。西勇輝のFA移籍が濃厚になっていることに加え、今季はアルバース、ディクソン、ローチの助っ人3枚を先発ローテションに入れる緊急事態も発生している。金子千尋が年齢なりの衰えを見せているのも気がかりだ。
山岡泰輔、田嶋大樹が今後のローテションを担っていく中心的な存在になりそうだが、その後がなかなか出てこない。松葉貴大、東明大貴ももうすぐ30歳を迎える。
オリックスらしくないといえばそうだが、ここはあえて吉田輝星(金足農高)にドンといってもおもしろい。1軍で早く見たいという世間の願望も叶えられるだろう。
■補強ポイント
外野手
■おすすめ選手
藤原恭大(大阪桐蔭高)
投手陣の台所事情が切迫しているが、即戦力社会人投手の獲得に長けたロッテなら、何とかなるはず。狙って育てたいのは、30歳オーバーが主力の外野陣だ。今年は平沢大河がライトを守ることも多かったが、苦肉の育成ともいえる。
ここは1位指名を匂わせている藤原恭大(大阪桐蔭高)でまったく問題ない。センターは荻野貴司、加藤翔平ぐらいしか任せられる選手がおらず、シーズン中には岡大海を緊急補強したほど。さらには9月下旬からは平沢大河がセンターのスタメンに名を連ねる試合も…。角中勝也、荻野貴司のケガも怖い。
一方で昨年のドラ1・安田尚憲は二軍で106試合、打率.271、12本塁打、67打点と上々の発進。井上晴哉や中村奨吾も気を吐いており、内野はワクワクできそうな展開だ。ここは下位指名を含めて外野手大量指名が見たい。
■補強ポイント
ポスト・嶋
■おすすめ選手
頓宮裕真(亜細亜大)、太田光(大阪商業大)
投手陣は藤平尚真、古川侑利など、20代前半の選手が多く成長待ちだが、もちろん1位指名では一層の充実を狙っていきたい。
ただ、野手陣はまだまだ期待の若手がほしい印象。特に捕手は「ポスト・嶋」の育成が急務だが、トレード加入の山下斐紹が二番手マスクでやや物足りない。
ウェーバー順も早そうなので、もし2位指名時に有力投手が残っていなければ、有望捕手を狙っていきたい。今年の上位候補なら強打の頓宮裕真(亜細亜大)、キャッチャーワークに優れた太田光(大阪商業大)あたりか。
文=落合初春(おちあい・もとはる)