主力選手が移籍したチーム、新戦力が加わったチーム、新監督が就任したチームなど、開幕を迎えるにあたって、各球団ともさまざまな変化があった。当然ながらオーダーにもそういった部分が反映される。各球団の開幕スタメンを見ながら、開幕直後の状況に触れてみたい。まずはパ・リーグから。
■西武の開幕オーダー
1(左翼):金子侑司
2(遊撃):源田壮亮
3(中堅):秋山翔吾
4(一塁):山川穂高
5(捕手):森友哉
6(二塁):外崎修汰
7(DH):栗山巧
8(三塁):中村剛也
9(右翼):木村文紀
投手:多和田真三郎
昨シーズンのパ・リーグ覇者である西武は、主力メンバーのなかから浅村栄斗と炭谷銀仁朗がFAで抜けた。とくに浅村は昨シーズン、打率.310、32本塁打、127打点とハイレベルの数字を残していただけに、その穴は小さくないが、それでも開幕時のラインナップを見る限り、森友哉が捕手として5番に入り、DHには栗山巧、そして恐怖の8番・中村剛也と、極端な戦力ダウンはさほどないように感じる。この打線は開幕以降もほぼ固定されている
(※源田壮亮が13日のオリックス戦で死球により右手関節挫傷。早期の復帰が待たれる)
■ソフトバンクの開幕オーダー
1(二塁):牧原大成
2(遊撃):今宮健太
3(中堅):柳田悠岐
4(DH):デスパイネ
5(左翼):グラシアル
6(一塁):内川聖一
7(三塁):松田宣浩
8(右翼):上林誠知
9(捕手):甲斐拓也
投手:千賀滉大
昨シーズン終盤に右足首のじん帯を負傷し戦線離脱していた牧原大成が1番に復帰。自律神経の不調で開幕前に無期限の休養に入った中村晃の抜けた5番・左翼にはグラシアル。現状のほぼベストメンバーで開幕を迎えるも、グラシアルが左脇腹を、柳田悠岐が左膝裏を痛め、相次いで登録抹消という事態に。両選手とも開幕から好調だっただけにチームとしては痛い。
育成出身の釜元豪、ベテランの川島慶三らがフォローしているが、打線の迫力ダウンは否めない。そもそもの選手層が厚いとはいえ、これ以上離脱者が出るようだと2年連続日本一に黄信号が灯る。
■日本ハムの開幕オーダー
1(三塁):淺間大基
2(中堅):西川遥輝
3(DH):近藤健介
4(一塁):中田翔
5(左翼):王柏融
6(右翼):大田泰示
7(二塁):石井一成
8(捕手):鶴岡慎也
9(遊撃):中島卓也
投手:上沢直之
1番に淺間大基、2番に西川遥輝という開幕オーダーで臨んだ日本ハムだったが、3戦目からは1番・西川、2番・大田泰示という本来の並びに。そこからは、近藤健介と王柏融が左翼とDH(指名打者)を入れ替わったりはあるものの、5番までと9番の中島卓也は固定されている。昨年の主力打者からはレアード(ロッテ)が抜け、台湾の4割打者・王が加入。まだまだエンジン全開とはいかない王だが、暖かくなって本領発揮となるか。
■オリックスの開幕オーダー
1(二塁):福田周平
2(中堅):西浦颯大
3(DH):メネセス
4(左翼):吉田正尚
5(三塁):頓宮裕真
6(右翼):小田裕也
7(一塁):T−岡田
8(捕手):若月健矢
9(遊撃):安達了一
投手:山岡泰輔
今シーズンの開幕スタメンのなかで、昨シーズンの開幕時も名を連ねていたのは吉田正尚と安達了一だけ。ルーキーの頓宮裕真、2年目の西浦颯大や福田周平といったフレッシュな選手が並ぶオーダーとなった。多少の打順入れ替えはあるものの、開幕10試合を経過しても上位打線はほぼ固定されている。昨シーズンのオリックスは、チーム打率、チーム本塁打数ともにリーグ5位と打線が振るわず、チーム防御率リーグトップの投手力を勝利に結び付けられなかった。オーダー刷新で、浮上なるか。
■ロッテの開幕オーダー
1(中堅):藤原恭大
2(右翼):加藤翔平
3(二塁):中村奨吾
4(一塁):井上晴哉
5(左翼):角中勝也
6(三塁):レアード
7(DH):バルガス
8(捕手):田村龍弘
9(遊撃):藤岡裕大
投手:石川歩
大阪桐蔭からドラフト1位で入団した藤原恭大が、高卒ルーキーながら開幕スタメンに抜擢(球団史上54年ぶり)。4打席目に初ヒット(内野安打)も記録し、以降もコンスタントに起用されたが、打率.105と低調で4月7日に2軍落ちとなってしまった。また、4番の井上晴哉も開幕から7試合で23打数1安打という極度のスランプで登録抹消。ただ、本拠地・ZOZOマリンスタジアムにホームランラグーンが新設され、日本ハムから本塁打王経験者のレアードが加入したこともあって、ホームランが激増。昨年、12球団最少本塁打だった打線の面影はすっかり消えている。
■楽天の開幕オーダー
1(中堅):田中和基
2(遊撃):茂木栄五郎
3(二塁):浅村栄斗
4(左翼):島内宏明
5(三塁):ウィーラー
6(一塁):銀次
7(DH):ブラッシュ
8(捕手):嶋基宏
9(右翼):オコエ瑠偉
投手:岸孝之
開幕10試合を経過したところで、1〜8番まではほぼ固定。9番をオコエ瑠偉と大卒ルーキーの辰己涼介が日替わり起用といったオーダーが組まれている。上位打線の選手たちはおおむね好調で、西武から移籍してきた浅村栄斗も、開幕3試合目に打点を挙げ、4試合目に本塁打を放つなど、クリムゾンレッドのユニフォームに馴染みつつある。
チームも首位争いを演じており、左太もも裏痛で登録抹消となった開幕投手の岸孝之、右ヒジの手術の影響でリタイア則本昂大の2本柱が戻ってくるまでは、打線の奮起で好調を維持したいところ。
(原稿執筆:4月11日)
文=藤山剣(ふじやま・けん)