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【交流戦プレイバック】山田哲人が不振もリーグ最下位で臨んだヤクルトが突き抜けてまさかの優勝!

文=森田真悟

【交流戦プレイバック】山田哲人が不振もリーグ最下位で臨んだヤクルトが突き抜けてまさかの優勝!
 2005年から始まり、今年で15回目を迎えるセ・パ交流戦。セ・リーグ球団の主催試合で指名打者制を採用したり、ホームアンドアウェー方式を取り入れてみたりと、ペナントレースではできない思い切った改革を行いながら今日に至った。

 普段と違う試合が生む面白さを存分に楽しめるのが交流戦のいいところ。今年はどんなドラマが生まれるのかと考えると胸が躍る。

 今回は「交流戦プレイバック」として、昨年の交流戦で起こったことを振り返ってみたい。

最下位で臨んだヤクルトがまさかの優勝


 まず昨年はヤクルトが12勝6敗の勝率.667という好成績で優勝。ホーム、ロードともに6勝3敗で、全チームに勝ち越しこそ逃したが(日本ハムに1勝2敗)、安定した成績を挙げた。

 山田哲人が打率.200と不振にあえいだが、青木宣親が打率.310、バレンティンが4本塁打と打撃陣を支え、小川泰弘が2勝(0敗)としっかり先発の役目を果たしたことが勝因となった。

 しかしヤクルトは、交流戦に入るまでは借金9でセ・リーグの最下位を彷徨っていたチーム。それが交流戦に強いとされるパ・リーグ球団相手に6つの貯金を作るのだから、野球はフタを開けるまでわからない。

 今季はDeNAが低迷気味だが、交流戦をきっかけに息を吹き返すことも大いに考えられる。

交流戦イチのブレイクプレーヤー


 優勝こそヤクルトにさらわれたが、59勝48敗1分とセ・リーグを圧倒していたパ・リーグ。MVPは勝ち越したリーグから選出されるということで、2位のオリックスから吉田正尚が輝いた。

 3年目となった昨年にプロ入り初の全試合出場を達成し、オリックスの主砲として目覚めた吉田正。相手が誰だろうとお構いなしに打ち続け、交流戦でも打率.397、3本塁打、10打点と見事な働きを見せつけた。

 今季も打率.271、9本塁打、23打点(5月18日現在)とまずまずの成績は残しているので、得意とする交流戦で上昇気流に乗せてくるかもしれない。

交流戦の風物詩


 交流戦の名物の一つが、セ・リーグ球団を挑発するロッテのポスター。マンネリ化やネタの枯渇により廃止のウワサもあったが、昨年もしっかりと制作された。

 昨年のテーマは「逆さま」で、ポスターの上下をひっくり返して眺めると裏の意味が見えてくるというもの。例えば巨人なら正位置では「無敵戦力」と褒めちぎっているが、180度回転させると「得意ですから」と読めるものになっており、30勝20敗と大きく勝ち越している状況を揶揄している。

 つまり毛筆体の「無敵」が上下逆さまにすると「得意」と読める仕掛けだ(文字の脇には口に手を添えて笑っているようなマスコットのマー君も)。

 アイデア出しには苦心すると思うが、交流戦開始当初から続いている名物企画だけに、これからも絶えることなく続けてほしい。

間隙を縫ったヤクルトの急襲。今年はいかに


 パ・リーグの優位が定着し、昨年も2位から6位までをパ・リーグのチームが占めていたなかで、見事に一矢報いたヤクルト。セ・リーグ球団のファンからすると「またか……」となりそうな空気を一変させたのは、ライオンズファン、パ・リーグファンの筆者も唸らされた。

 今年の交流戦は6月4日から23日にかけて開催。どんなドラマが待っているだろうか。次回はその展望をお届けするのでお楽しみに。

 初開催時の36試合から24試合、18試合と徐々に試合数が減っているが、日本シリーズを除けばセ・リーグとパ・リーグが真剣勝負をする舞台はほかにないだけに、また試合数が増えたらと願っている。

文=森田真悟(もりた・しんご)

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