5月6日の阪神対広島で、阪神が球団史上初の9点差をひっくり返しての逆転勝利を収めた。
5回表を終え0対9とリードされていたが、6回に打者11人で7得点するなど、終わってみれば12対9で阪神が勝利。この大逆転勝利のウイニングボールが、甲子園球場内にある甲子園歴史館で展示されることに決まったほどの快挙だ。
ちなみに過去の最大逆転勝利は10点差。1997年の近鉄(対ロッテ)、1951年の松竹(対大洋)、1949年の大陽(対大映)の3例がある。
5月12日の日本ハム対ロッテで、日本ハムが東急時代の1950年に記録した1試合7本塁打の球団タイ記録に並んだ。
(※延長回込みの参考記録を含めると東映時代の1971年以来)
巨人から移籍してきた大田泰示が先制ソロを含む2発、昨季の本塁打王・レアードが2発、好調の「4割打者」近藤健介と西川遥輝、中田翔がそれぞれ1発を放ってロッテのエース・涌井秀章らを打ち砕いた。
ちなみに1試合最多本塁打のプロ野球記録は9本で、1980年の阪急、ロッテなど4球団がマーク。
逆に1試合の被本塁打の投手はこれまでパ・リーグでは5本が最高だったが、今回の涌井が6本浴びてリーグワースト記録となった。
(※歴代最多は1リーグ時代の川崎徳次[巨人]の9本)
オープン戦を首位で終えたロッテ。投打ともに好調で、この期間はわずか2敗しかしなかったこともあり、シーズン前にはパ・リーグの台風の目になるとも囁かれた。
しかし現在、ロッテは最下位に沈んでいる。理由は開幕から1カ月以上経過しても振るわない打線だ。
昨季の首位打者・角中勝也が故障で離脱、新外国人のダフィーとパラデスが今ひとつ機能していないのに加えて、清田育宏や荻野貴司らも打率1割台……。まさに壊滅状態といっていい。
ロッテのチーム打率は5月19日時点で.190。もしこのまま打率が2割に届かないままシーズンを終えたら、1リーグ時代までさかのぼり1944年の産業軍(現中日)以来73年ぶりの珍事となる。
なお、戦後のチーム打率ワーストは1962年国鉄の.201。果たしてロッテはどこまで巻き返せるか。
文=サトウタカシ (さとう・たかし)