今オフ、阪神は金本知憲新監督が就任。矢野燿大、片岡篤史、今岡誠、久慈照嘉、濱中治、中村豊をはじめ、2000年代の球界で燦然と輝いたレジェンドメンバーがコーチ陣を固め、新たなる挑戦がはじまる。
連日、組閣に関してはレジェンドOBの動向が大きく報道された。最終的には入閣とはならなかったが、赤星憲広、下柳剛など、「入閣か?」とのニュースも出ていた。
しかし、その報道にまったく上がらなかったのが城島健司だ。
日本通算244本塁打、808打点。MLBでも4年間で48本塁打、198打点を叩き出し、キャッチャーとしても抜群の経験を持つレジェンド。
もちろん、ホークスOBの色も強く、実際にソフトバンク・王貞治会長も誰にでも臆せず物事を言える性格の城島を「将来の監督」として、高く買っていたというが、ホークス側の動きもまったく浮かび上がってこない。一体なぜだろうか?
その一番の理由は“釣り”だ。城島は現役時代からシーズンオフには趣味の釣りに励み、「佐世保市の城島さん」として何度も大会入賞を果たす球界一の釣り師。
引退直後の2013年1月に福岡・RKB毎日放送の正月特番『城島健司のJ的な釣りテレビ』が放送されると、その本気度が好評を博し、同年4月から週1のレギュラー番組に。
有名釣り師をゲストに迎え、技術を学びながら対決する人気番組をプロデュースするローカルタレントに転身していたのだ。
現役晩年は白髪混じりで大工の親方のような風貌だったが、現在は髪を伸ばしたり、剃りあげたりしてイメージも刷新。若々しいフレッシュな印象になっており、引退後の充実度がうかがえる。
また2013年3月から、KTNテレビ長崎で月1のゴルフ番組『城島健司と金谷多一郎のモア☆ゴル』もスタート。
「ゴルフドクター」の呼び声高いプロゴルファー・金谷多一郎に教えを受けながら、もうひとつの趣味であるゴルフの技術向上も目指している。
ここでも城島はメインパーソナリティとして実力を発揮。「野球ではこういう打ち方だ」「メジャーリーガーの力の使い方は…」などなど、饒舌に会話を交わして、実のある素晴らしい番組を作り上げている。
野球以外の分野も見事に“解説”できる言葉の感性はやはり超一流。番組には城島の指導者としての才覚がにじみ出ている。
現在は野球界と距離を置き、悠々自適なタレントライフを送っているが、いつかは球界に戻ってほしい存在だ。
文=落合初春(おちあい・もとはる)