7月11日、球界最年長で42歳の三浦大輔(DeNA)が、今季初登板を果たした。勝てば24年連続勝利で、これは歴代単独1位の記録だ(昨年までの23年連続は1位タイ)。
両チームのファンが見守るなか、試合は先頭打者の大島洋平がいきなりの二塁打。ヒットにはなったが、ファーストのロペスがミットを弾かれてしまった当たり。上手くさばいていればアウトにできた打球だった。
大島は、7月9日のヤクルト戦でも、5年ぶりの登板だった由規に、いきなりの二塁打を浴びせている。周囲の雑音に惑わされることなく、打席に集中できているのは、さすがだ。
続く2番の堂上直倫は、初球、送りバントを失敗したあとの2球目を、バスターに切り替えてライト前にタイムリー。この1、2番との対戦が、三浦にとってはアンラッキーだった。
そこからは、福田永将のタイムリー、エルナンデスの3ランなどで、中日が一挙に6点。初回で試合の行方は、ほぼ決まってしまった……。
ただ、その後も4回まで投げた三浦は、2回以降もランナーを出しながら、身上の粘りのピッチングで無失点。試合後は「この悔しさを次につなげたい」と語るなど、前向きな姿勢を見せていた。24年連続勝利は、次回以降に期待だ。
ピッチングでは結果を出せなった三浦だが、2回裏の打席では、レフト前にクリーンヒット。これにより「歴代4位タイの24年連続安打」を達成した。
この記録の1位は25年連続の谷繁元信。2位が25年連続の野村克也と山崎武司。三浦は大島康徳と並んで4位タイ。顔ぶれを見ればわかるとおり、投手としては2位の小山正明(21年連続)を引き離し、記録を更新した。
なお、この日は、パ・リーグの最年長投手のレイ(41歳・楽天)も西武ドームで先発。両リーグの最年長投手が、同時に先発するという、珍しい日となった。
じつは、レイと三浦が同じ日に投げたのは、この日が4回目(日本での1軍の試合限定)。過去の3回は、山本昌(元中日)や西口文也(元西武)といったレジェンドが君臨していたため、2人は最年長投手ではなかった。
今回、晴れて、両リーグの最年長として登板したわけだが、残念ながら両者とも敗戦投手に……。ちなみに、過去3回も、以下のような成績で、勝利投手にはなれていない。
■2013年9月3日
三浦 先発・負
レイ 先発・勝敗つかず(チームは勝)
■2013年9月10日
三浦 先発・負
レイ 先発・負
■2015年6月28日
三浦 先発・負
レイ リリーフ・勝敗つかず(チームは負)
■2016年7月11日
三浦 先発・負
レイ 先発・負
両者が同じ日に投げて、チームが勝ったのは、たった一度だけ。まるで、見えない負の力がはたらいているかのようでもある。
両チームの首脳陣は、三浦とレイの登板日を考えたほうがいいかも!?
文=藤山剣(ふじやま・けん)