今シーズンの内野陣は壊滅的だった。二塁の山田を除いて100試合以上に出場した選手は不在。故障者続出に加え、若手の伸び悩みもあり、年間を通じて固定できなかった。来シーズンはどのような布陣になるのか。
一塁は畠山和洋、大松尚逸、荒木貴裕らで争うことになる。バレンティンの去就次第では新外国人選手もこのなかに加わってくるだろう。そして清宮を獲得できれば、ひいき目なく見ても清宮のスタメンはありえるだろう。
二塁は山田で間違いない。今シーズンの不振を立て直せるかがカギとなる。気がかりなのは、杉村繁コーチがチーフ打撃コーチから巡回コーチに配置転換されたことだ。常に1軍にいないということが、山田にとってデメリットとなることも考えられる。しかし、2軍の若手が第二、第三の山田に育つ可能性もある、とポジティブにとらえたい。とはいえ、素材候補はドラフトで獲得しなければいけないのだが……。
三塁はヘルニアの手術を受けた川端が最右翼だ。藤井亮太、西浦直亨といった選手も控えているが、残念ながら現時点で川端には及ばない。藤井はあと一歩のところまできているが、対左投手時はほぼ起用されなかったことからも、川端に及ばないことがうかがえる。厳しいようだが、今シーズンの状況で確固たるレギュラーとなれない選手が、川端に勝てるとは思えない。マルチポジションをこなせるバックアップ要員となりそうだ。
遊撃は大引啓次がフルシーズン戦うことができず、奥村展征、西浦と併用されることになりそうだ。期待のスラッガー候補である廣岡大志も控えているが、守備面での不安が大きい。スタメンで起用するならば三塁が濃厚だろう。
このように、内野は各ポジションで競争となる。その争いは決して若手だけではない。若手と呼べるのは奥村、廣岡の2人くらいだ。
今は、後に控える世代交代も見据えなければいけない時期でもある。ポジション争い、そして、世代交代を控えているこの状況にぴったりの選手が、巨人から自由契約となった。そう、村田修一だ。村田は一塁、三塁をこなすことができる。しかも、2000本安打まであと135本に迫っており話題性もある。魅力的な選手であることは間違いない。松坂世代の村田は来シーズン38歳。奥村、廣岡、清宮ら若手が育つまでの繋ぎとしてもぴったりだ。
現時点でヤクルトは村田について獲得の意思は示していない。しかし、ドラフトの結果によっては獲得に動く可能性はある。村田はヤクルトと縁の深い日本大出身で、大学時代は館山昌平と同期でもある。自由契約なので年俸も大幅に下がるだろう。獲得に向けての支障はないはずだ。もし、支障があるとすれば横浜、巨人で背負っていた背番号「25」を館山が背負っていること、くらいか……。
「ドラフトで清宮獲得からの村田もヤクルトへ」というご都合主義的な妄想が現実となることに期待したい。
(※編集部注:10月26日のドラフト会議で7球団競合の末、日本ハムが清宮の交渉権を獲得した)
文=勝田聡(かつた・さとし)