【栃木・投手編】ドラフト関連度 C
上位3校が複数投手擁す
春夏連続の甲子園(夏は大会史上最長となる90年ぶり)を目指す宇都宮商の新井諒が成長した。センバツでは2番手で好投し最速144キロを記録。威力があり、適度に荒れるストレートとキレのあるスライダーが光る。制球が優れる飯岡健太は1年秋からエースナンバーをつけるなど、経験豊富で安定感がある。この右腕2枚と柴山和博、小材佳久の左腕2枚で自在な継投を展開する。
秋春に続く県内三冠を目指す佐野日大も投手陣が充実している。3年生右腕・榎本啓士郎は秋春通算の防御率が1.63、今春から投手を兼任する主将の片野泰大は強気の投球で試合を締める。そして2年生の逸材に注目したい。右腕の稲葉恒成は中学時代に関東大会優勝投手となっている。140キロ近いストレートが低めに刺さってくる。左腕の田嶋大樹は一昨年のU-16世界大会日本代表で、緩急の組み立て、特に空振りが取れるスライダー、カーブが素晴らしく、大器の予感がする。春の準優勝校・大田原はサイドスローの小作智樹、関東大会で力投した本格派の田村優風など、タイプの違う投手陣を擁し頂点を目指す。
他校の右腕では春に1試合15奪三振を記録した澤田大季(青藍泰斗)、一冬で精神的に強くなり、緩急の組み立てで粘り強く投げる戸崎尚哉(白鴎大足利)が楽しみだ。サイドからの内外の投げ分けを武器に、昨秋は作新学院相手に殊勲の金星を挙げた永井啓太(足利)は昨年からのエース。チームを13年ぶりの夏の大会シードに導いた。左腕投手は前出・田嶋の他に目立つ投手は少ないが、昨夏県ベスト4を経験し、マウンド度胸が買われている三浦謙介(宇都宮北)に注目だ。
【注目選手】榎本啓士郎(佐野日大)