2003年ドラフト2位でダイエーホークス(当時)に入団。チームトップレベルの走力と広い守備範囲と強肩で、代走や守備固めとして活躍。特にリーグ連覇を果たした2010、2011年は、ホセ・オーティズ、多村仁志、松中信彦、内川聖一と、守備より打撃中心の布陣のケースが多く、それぞれのシーズンで城所は95試合、108試合に出場。
いずれの年も2ケタ盗塁に無失策。チームに欠かせないスーパーサブぶりを見せた。
走って守って頼りになる男だが、時にはボーンヘッドを犯してしまうのはご愛敬。プロ2年目に1軍登録されて初出場は代走で出場。打球を足に当ててしまい、守備妨害でアウトという、ある意味インパクト大のデビューを飾った。
2014年にはヒット性の当たりに飛び込むも、打球を後逸して中田賢一の完封勝利をフイにしてしまった。
もちろんミスはチームの士気が下がるし、ファンだってその時は怒りを爆発させる。翌日の試合終盤から城所が出てくると、「大丈夫か…」と、心の中で思いながらも、大きな拍手と声援を送ってしまう。そんな憎めない男が城所だ。
2014年秋には【キドコロ待機中】なるTシャツが発売された。翌2015年3月に、イチローがキャンプでそのTシャツを着たことが話題になった。
ところが肝心の城所は、骨折でリハビリ中。骨折が完治後、8月に1軍昇格も、復帰初戦の走塁中に左肩を脱臼して、出場は僅か1試合に終わってしまった。
【キドコロ待機中】の待機の部分に【骨折】という文字を入れたTシャツやタオルが、ヤフオクドームのライトスタンドのアチコチで見られたシーズンだった。
2016年は開幕1軍入りを果たすも、ここまでの出場は僅か10試合(4月25日現在)の城所。
内川が一塁にコンバートされ、外野は中村晃、柳田悠岐、福田秀平と守備力の高い3人が先発することが多く、なかなか出番が回ってこないなか、4月19日には国内フリーエージェント権を獲得した。
報道によれば、FA権行使は全く考えていないとのこと。パ・リーグ3連覇へ向けて、いかなる場面でも出番がある限り、いつでも城所は待機している。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。ライター、イベント関連など、スポーツ関連の仕事を精力的にこなしている。北海道生まれなのに、ホークスファン歴約40年。ゴールデンウイークは、札幌ドームの完全アウエー状態の中でホークスを応援する予定。