「野球の基本は?」
そう聞かれれば、少しでも経験のある人なら迷わずこう答えるだろう。
「キャッチボール」
あまり知られていないが、日本プロ野球選手会では10年以上前から、球界活性化を目指し「キャッチボールプロジェクト」に取り組んでいる。このプロジェクトの発足は、キャッチボール禁止の公園も増え、遊びで野球に親しむ子どもも減りつつある現状に、選手たちが危機感を抱いたことがきっかけとなっている。
そんな「キャッチボールプロジェクト」一環として考案されたのが、キャッチボール自体を競技とした「キャッチボールクラシック」だ。
この競技は、9人が4人と5人に別れ、7メートル離れて向き合い、ひとつのボールを使って2分間で何回キャッチボールをできるかを競うというもの(片道を1回と計算)。
日本プロ野球選手会の公式ホームページには、詳しいルールや、全国各地で行われた大会の結果等が紹介されているので、ぜひご覧いただきたい。
なお、公式記録員を招いて大会を開催することも可能だが(諸経費は有料)、そこまで大掛かりにしなくとも、チームの練習メニューのひとつとしてやってみるのも面白そうだ。ちなみに、同ホームページに掲載されている9月26日現在の最高記録は、石川県のかほく市立高松中学校の136回だ。
また、10月15日(土)には、東京・港区の檜町公園にて「TOKYO CATCH BALL CLUB」というイベントも開催される(入場無料、後援:日本プロ野球選手会)。
こちらは、よりカジュアルなキャッチボールイベントで、元ヤクルトの古田敦也氏、「神スイング」でおなじみの稲村亜美さんらのトークショーや音楽ライブも開催される予定で、軽食なども楽しめるケータリングワゴンも登場する。
もちろん、会場でキャッチボールができるだけでなく、初めて出会った人とキャッチボールをする「ハロータイム」や、「コントロール王決定戦」(いわゆるストラックアウト的なスタイル)などのアトラクションもあり、老若男女が参加&楽しめるイベントとなっているようだ。
暑さもやわらぎ、キャッチボールをするにはいい気候となってきた。「野球は見るもの」となってしまっているかつてのプレイヤーも、今こそしまいこんだグラブを引っ張り出してみてはいかがでしょうか。
文=藤山剣(ふじやま・けん)