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【自主トレ振り返り】雄星に同行の若獅子たち、坂本勇人に弟子入りの西巻賢二、護摩行の堂林翔太etc

文=森田真悟

【自主トレ振り返り】雄星に同行の若獅子たち、坂本勇人に弟子入りの西巻賢二、護摩行の堂林翔太etc
 プロ野球選手にとっての1月は貴重なオフであり、かつ2月からのキャンプに向けた自主トレの期間でもある。

 最近はチームの垣根を超えた交流もあり、ときに切磋琢磨し、ときに仲間の技術を学びながらキャンプ、シーズンに向けた準備をしている。

 キャンプインとなった今、キャンプに励む選手をより深く知るために、あらためて自主トレを頑張った選手の動向を振り返る。

西武投手陣の救世主誕生なるか?


 まずは先日無事にマリナーズとの契約を勝ち取り、晴れてメジャーリーガーとして戦う菊池雄星。平良海馬、高橋光成、佐野泰雄ら古巣・西武の後輩3人を引き連れて、石垣島で自主トレを行った。

 もともとは平良を除いた3人で石垣島での自主トレを考えていたが、出身地であるということで平良が島の練習施設を紹介し、4人で行うことになったそう。

 西武にとって菊池の抜けた穴は小さくなく、巨人にFA移籍した炭谷銀仁朗の人的補償で獲得した内海哲也でも簡単には埋めきれないだろう。平良、高橋、佐野の3人には、“菊池イズム”をつかんで飛躍してほしい。

坂本勇人に他球団から弟子入り!?


 南国・沖縄の本島で自主トレをしているのは、坂本勇人、吉川大幾、北村拓己の巨人トリオと西巻賢二(楽天)の御一行。高卒プロ入りの坂本ももう30歳になったため、「体の貯金」を作るために1日6時間ものトレーニングを行った。

 2000本安打まで残り289本。しっかりと試合に出場し続けていけば来季には到達できると思われるので、まずは大台を目指したい。

 ちなみに楽天の西巻は坂本と面識がなかったが、「遊撃としてレベルアップしたい」という気持ちを抑えきれず、現役時代に巨人、楽天でプレーした金刃憲人を通して自主トレの参加を志願。

 坂本もかつては宮本慎也(ヤクルトヘッドコーチ)に師事し、守備を上達させた過去がある。球団の垣根を超えた師弟関係でレベルアップを図る西巻にも期待したくなる。

男女の垣根を超えて


 今年は秋山翔吾(西武)や菊池涼介(広島)らのように、女子プロ野球選手と合同自主トレを行う選手も見受けられた。

 体のケアの仕方や技術面の上達という点では、どちらかというと女子選手の方にメリットがありそうだが、広く野球という競技を盛り上げていく意味でも交流は大切なこと。

 来年はさらに交流が増えてもいいのではないか。そんなふうにも感じた男女合同自主トレだった。

遅れてきたヒーロー


 金本知憲、新井貴浩(ともに元広島ほか)が行ったことで有名になった自主トレでの護摩行。新井の引退でこの伝統が途切れるかと思いきや、隠れて(?)新井とともに長年護摩行をしてきた石原慶幸、2017年より参加している堂林翔太、會澤翼ら広島の3人が鹿児島の最福寺で燃え盛る炎と対峙した。

 なかでも気になるのが、今季で早くもプロ10年目となる堂林翔太。入団当初から“プリンス”と期待されながら、ここまで思うような結果を残せていないだけに、丸佳浩が巨人にFA移籍したチーム事情を転機にしたいところ。

 最福寺の法主も護摩行を受ける堂林からは、過去とは違うものを感じたそうなので、今季はいよいよ覚醒した堂林が見られるかもしれない。

竹のように真っ直ぐと


 最後になったが、忘れてならないのがゴールデンルーキーの動向。インフルエンザにかかった藤原恭大(ロッテ)、右ふくらはぎに軽度の肉離れを起こした根尾昂(中日)と気がかりなニュースもあるが、元気ハツラツなのが吉田輝星(日本ハム)だ。

 新人合同自主トレの初日に700人ものファンを集め、あらためて人気の高さを知らしめた。その後もブルペンにも3度入るなど、順調にメニューを消化している。

 雪国・秋田育ちなので、鎌ヶ谷程度の気温では寒いと感じないのだろうか。とにもかくにも体が強くて悪いことはない。

 キャンプは2軍スタートが決まっているが、栗山英樹監督が1軍に合流させたくなるほどのスタートダッシュを見せてほしい。

自分の時間を有効活用


 ルーキー以外の多くの選手にとって、自主トレは自分のペースで思ったようにトレーニングできる限られた時間。だからこそ、いかに有意義に過ごすかが求められる。

 そういう点では今回の西巻のように、知らない世界に飛び込む勇気は買いたい。西武ファンの筆者からすると、楽天には浅村栄斗を持っていかれたという複雑な思いもあるが、それを差し引いても注目したくなる。

 それぞれの思いを込めた自主トレを経てキャンプにやってきた選手を各監督はどう見るのか。2019年シーズンはすでに始まっている。

文=森田真悟(もりた・しんご)

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