真砂は1994年生まれ、大谷世代の22歳。京都の府立・西城陽高校から2012年にドラフト4位でソフトバンクに入団した。
走攻守の三拍子が揃った真砂への評価は高く、ファーム時代の柳田悠岐を知る藤本博史2軍コーチは、ギータ級のパワーを持つ右打ちの真砂を「ミギータ」と命名した。
ウエスタン・リーグでは今季90試合に出場し打率.295、7本塁打、44打点、18盗塁。1軍登録も2度果たしたが、残念ながら出場機会はなかった。
そんな真砂が「ヤング侍ジャパン」では4番レフトでフル出場。初戦のニカラグア戦ではタイムリーツーベースを含む2安打を放つと、チャイニーズ・タイペイ戦では4安打4打点の大活躍を見せた。
アルゼンチン戦では同点の2ランホームラン、宿敵・韓国戦でも1点を追う7回にレフトスタンドへの特大ホームランをぶっ放した。
真砂は韓国戦まで打率5割超えで全試合打点を挙げる活躍を見せたが、パナマ戦では2度のチャンスに凡打し4タコ。チームは2対3で初黒星を喫した。続くメキシコ戦でもノーヒットと当たりが止まったままだったが、決勝のオーストラリア戦では勝負を決定づける大きなホームランを放つ。
真砂は全9試合で33打数15安打、4本塁打、14打点の活躍で大会MVPとベストナインを獲得した。
2014年に台湾で開催されたIBAF 21Uワールドカップでは、鈴木誠也(広島)や北條史也(阪神)がチームの中心として活躍。両選手の今季の活躍は、説明するまでもないだろう。
世界の舞台での大活躍で来季の真砂の活躍も楽しみ…と書きたいところだが、ソフトバンクの外野レギュラー争いはというと…。
「本家ギータ」の柳田をはじめ、侍ジャパンメンバーの中村晃に2014年の首位打者・長谷川勇也、交流戦MVPの城所龍磨、福田秀平と層が厚い。そして、真砂とともにウエスタン・リーグ5連覇のために戦った上林誠知や釜元豪もいる。
過酷な国際試合で結果を出した真砂が、熾烈なチーム内レギュラー争いを制し、NPBの舞台でも活躍することができるか。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。広告代理業を営みながら、ライター、イベントなどスポーツ関連の仕事もこなす。北海道生まれなのにホークスファン歴40年。真砂同様U23代表となった笠原大芽は決勝の先発マウンドに立つも3失点で降板。こちらもチームに戻れば熾烈な1軍枠が待っているが、頑張ってほしい。