3月26日 vs.オリックス
先発・十亀剣が初回に5失点し、早々にノックアウト。その後を受けて最悪な雰囲気のなかで、今季初登板を迎えたのが牧田だ。しかし、4回から9回までゴロアウトを量産。オリックス打線をわずか1安打に抑え、危なげない投球を披露した。
すると打線も牧田の力投に応えて9得点。前日もサヨナラ勝利を達成していたチームは、この日も見事な大逆転勝利を演じ、開幕1、2戦を勝利。牧田は西武にとって、なんとも素晴らしい船出を演出した。
4月8日 vs.ロッテ
6回2失点と奮闘した菊池雄星からバトンを受け、勝ち継投の先頭を任された牧田。岡田幸文と角中勝也にヒットを浴び、今季初失点を喫したものの、井上晴哉を打ちとって高橋朋己につないだ。
今季初白星を預けていた菊池はヒヤリとしただろうが、この場面でズルズルと失点しなかった牧田はさすがの一言。もう西武の中継ぎは、「俺達」ではないということを証明した試合でもあった。
4月16日 vs.オリックス
十亀が5回持たずに降板するという、3月26日の試合と似たような展開のなか、切り札の牧田がマウンドへ。この試合、すでに2ケタ安打していたオリックス打線だったが、牧田登板以降は全て三者凡退と、人が変わったかのように沈黙してしまった。
前述した3月26日の試合で、オリックスは牧田に対してトラウマを抱いたのか……。そう思わせるほどのキラーぶり。シーズンを勝ち抜くには「お得意様を作れ」という鉄則がある。今後の牧田vs.オリックス打線に注目したい。
牧田はもともと、ルーキーイヤーに抑えをしていた実績がある。今季のリリーバーとしての牧田には、もちろん筆者も期待していた。しかし、ここまでガッチリと先発陣とクローザーまでの歯車を噛み合わせたのは、やや想定外。嬉しい悲鳴でもある。
西武はこれから6連戦が組まれてくる。先発投手が増員され、牧田もその筆頭候補になるだろう。しかし、結果を出している継投策を崩してまで…という思いもある。首脳陣がどういった判断を下すのか。この結果次第で、西武の今季が決まると言っても、過言ではなさそうだ。
文=森田真悟(もりた・しんご)