イラストレーター・横山英史と申します。このコーナーでは、ベースボールを題材にして、それをイラストで表現しています。
偉大な選手がこの世を去って、とても残念です。
スタン・ミュージアル氏は、1941年から1963年まで22シーズン、セントルイス・カーディナルス一筋でプレイして、首位打者7度、MVP3回、通算安打は歴代4位の3630本、という大打者でした。
カーディナルスの象徴といえる存在で、長い間ファンからとても愛されていた選手でもありました。それを感じたのは、セントルイス、ブッシュ・スタジアムでの2007年シーズンのホームオープナー(本拠地の開幕戦)を観戦に行ったとき。ゲーム開始前のセレモニーで前年ワールドチャンピオンになったことを記念したリング贈呈式がありました。
そこにプレゼンターとして登場したミュージアル氏に、ボールパーク全体が揺れるほどの歓声と拍手が起きました。現役を終えてから40年以上が経っていましたが、どれだけ地元のファンからリスペクトされているかを感じた瞬間でした。
そして、自分の座席のすぐ目の前には親子三代で観戦にきているファンがいました。おじいさんが孫に「あの人はすごい選手だったんだよ」と、ミュージアル氏が偉大なプレイヤーであったかを説明し、それをお父さんが隣でうなずきながら見ている、そんなほほえましい光景も目にすることができました。