【2015夏の高校野球】《山形観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド
7月10日〜23日(荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがたほか)
強力投手陣で4年ぶりの聖地狙う鶴岡東
青木・石垣ら大砲陣のアーチ合戦に注目
☆★☆ 投手編 ☆★☆
●秋春王者・鶴岡東の厚い投手層
県内随一の投手層を誇る鶴岡東。左腕・福谷優弥は春季県大会4試合中3試合に登板。すべて2番手か3番手のリリーフだったが、制球力、フィールディングなど総合力は高い。準決勝と決勝で先発したのは同じ左腕の古市夏紗也。粘り強い投球が持ち味だ。2年生の太田海都は昨秋、公式戦の登板はなかったが、今春の地区予選で酒田南を完封。県大会では2試合で先発を任された。この他、外野手だが今春の地区予選決勝の羽黒戦に1失点で完投した柿崎航もいる。
実力と実績で群を抜くのは佐藤僚亮(山形中央)だ。身長170センチの左腕から繰り出す回転数の多いストレートは140キロ台中盤を計測する。タテと横のスライダーにカーブを織り交ぜて三振の山を築く投球術も光る。ただし、今年は技術と心のバランスに悩み、制球に苦しむ場面が多く、失点を重ねている。春の県大会を逃した経験を生かせるか、注目したい。
混戦の村山地区を第1代表で抜けた東海大山形のエース・吹風承は経験値が高く、力のあるストレートで押せる。小野紫音(酒田光陵)は昨夏までレギュラー捕手だったが、秋から投手に転向した変わり種。マウンドさばきなど課題はあるが、コーナーに投げ分けたり、打者のタイミングをずらすのがうまい。投げては140キロ近いストレート、打っては長距離砲の歌丸翔太(山形商)は名将・渋谷良弥監督の下、最後の夏に懸ける。
●将来性に期待の2年生投手たち
鈴木琢磨(山形城北)のストレートは130キロ台中盤だが、スライダー、カーブ、フォークを織り交ぜた落ち着いた投球で大崩れしない。昨秋に続きチームを東北大会出場に導いた2年生左腕だ。同じ2年生の東海大山形の久田温斗はキレのある変化球で勝負する。
▲福谷優弥(鶴岡東)
☆★☆ 打者編 ☆★☆
●多彩な長距離砲が揃う
24試合でトータル13本の本塁打が飛び出した春季県大会。石垣雅海(酒田南)は思い切りのいいスイングで、準決勝と決勝の2試合連続アーチを放った。
昨夏の甲子園で逆方向(ライトスタンド)に放り込んだ青木陸(山形中央)は、県内一のスラッガーだ。練習試合でも勝負してもらえず、死球を受けることもあるが、どんな状況でも甘い球は逃さない。中堅手の鈴木琉生は1年生ながら名門・日大山形でレギュラーとなり、ホームランも放っている。昨年、全中を制した秀光中のメンバーで、初めて迎える夏の高校野球からどんな活躍を見せてくれるのか、期待は尽きない。
●実力校に特徴ある好選手たち
鶴岡東は野手も安定している。勝負強い1番・田辺和、気持ちが強く積極的な打撃が魅力の柿崎、広角に大きな打球を打てる阿部大など特徴ある選手が並ぶ打線は切れ目がない。攻守の要はキャプテンでもあるショートの安食幹太だ。
山形中央は、高橋稜佑・裕佑のツインズと1年生で甲子園を経験した鈴木一朗が伸びている。上松野聖(山形城北)は村山地区の記録会でベースランニング1位になった俊足だ。打撃センスが光る浅賀雅人(日大山形)、守備力の高い高橋謙介(山形南)にも注目だ。
▲青木陸(山形中央)
☆★☆大会展望 ☆★☆
●順当なら4年ぶりの鶴岡東だが…
鶴岡東が昨秋、今春と山形の王者になった。順調にいけば、4年ぶりの甲子園が見えてくるだろう。昨秋は準優勝し、今春は3位となり、連続で東北大会に駒を進めた山形城北も甲子園初出場を狙える位置にいる。酒田南と日大山形は県大会1回戦で激突し、酒田南が激戦を制した。地区予選で姿を消した山形中央もこのままでは終われない。ここ5年間、毎年のように夏の代表校が変わっている山形。上位校を脅かすチームが出現すると優勝争いはさらに面白さを増すだろう。
地区勢力ピラミッド
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