今年でプロ17年目を迎える阿部慎之助(巨人)は「2000」にまつわる2つの記録が目前に迫っている。ひとつは「2000」試合出場。現在、通算出場試合数は1963試合。あと37試合だ。達成すればNPB史上50人目、巨人の生え抜き選手では王貞治、柴田勲、長嶋茂雄に続く4人目となる。
もうひとつは「2000」安打。ここまで1917安打を積み重ねており、あと83安打としている。これまでで一番安打数が少なかったシーズンは、2015年の83安打。よほどの大ケガやスランプに陥らない限りは到達可能な数字と言える。
また、阿部はここまで通算373本塁打を放っており、通算400本塁打まであと27本。2014年以降は19本塁打、15本塁打、12本塁打と減少気味だが、かつての打棒復活で少しでも近づけたいところだ。
阿部の項で触れた通算2000安打だが、現在、もっとも近づいているのが今季からアストロズでプレーする青木宣親だ。ヤクルト時代は2度のシーズン200安打を達成し、MLBでも着実に安打数を増やしてきた。
ここまでの日米通算安打数は1965安打。日米通算2000安打まであと35安打としている。1982年の早生まれである青木が達成すれば、1980年代生まれの選手では初の2000安打達成者となる。
また青木だけでなく、ほかの1980年代生まれの選手の2000安打達成にも期待が掛かる。1982年生まれの内川聖一(ソフトバンク)は、現在1896安打であと104安打。球界屈指の打撃技術を持ち、昨季は169安打を放っているだけに今季半ばでの達成が有力視される。
青木とは早稲田大の同期である鳥谷敬(阪神)はここまで通算1872安打。2000安打まであと128安打としている。
昨季は打率.236と不本意なシーズンに終わり、安打数も106とプロ1年目の2004年に次ぐ少ない数字となった。シーズン途中には長年守り続けてきたショートの定位置を北條史也に明け渡してしまった。それだけに今季は期する思いが強いはず。
ベテランでは荒木雅博(中日)が2000安打まであと39安打、福浦和也(ロッテ)が68安打としている。特に福浦はホームゲームでヒットを打つと、スコアボードに「FUKU-METER」の表示が現れるなど、ファンも2000安打達成に向けて後押しする。
昨年は新垣渚(ヤクルト)が引退するなど年々少なくなっていく「松坂世代」の選手たち。そんななかで杉内俊哉(巨人)は通算150勝にあと8勝と迫っている。
昨季は2015年に行った右股関節手術の影響で1軍出場なし。チームの先発陣はFAで山口俊、トレードで同じ左腕の吉川光夫が加入と競争が激しい。昨季は同い年でかつてのチームメイトだった和田毅(ソフトバンク)が最多勝を獲得。「このままで終わるわけにはいかない」と復活を目指している。
同じ巨人の同学年、村田修一は通算350本塁打にあと4本。昨年は打率.302、25本塁打とかつての輝きを取り戻した。2度の本塁打王と松坂世代の野手ではもっとも実績を残している村田。シーズン序盤での記録達成が期待される。
文=武山智史(たけやま・さとし)