週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

終わらぬ旅路。昨年のセンバツ優勝投手・村上頌樹は今? 「戦国東都」デビューなるか!?


 センバツ2回戦、智辯学園(奈良)が盛岡大付(岩手)に1対5で敗れた。智辯学園にとってはセンバツ2連覇をかけた戦いにピリオドが打たれたことになる。

 智辯学園が昨年のセンバツの快進撃は記憶に新しい。その原動力となったのは、エース右腕・村上頌樹だった。

“評価は上がらず”の評価……


 身長174センチ、体重78キロ。流行のフィジカルタイプのサイズ感ではなかったが、最速145キロのストレートに変化球を小気味よく織り交ぜ、センバツ決勝までの5試合47回を一人で投げ抜き、自責点2、防御率0.38の破格の数字を叩き出した。

 しかし、すばらしいコントロールと投球術にも関わらず、センバツ優勝直後からメディアに踊ったのは「村上の評価は据え置き」のスカウトコメントだった。

 まとまりすぎている。完成度の高い投球がかえって、スカウトが高校生投手に好んで求める「伸びしろ」とかけ離れてしまったのだろう。その夏も甲子園に登場した村上だが、松坂大輔(横浜→西武、現・ソフトバンク)、安樂智大(済美→楽天)のようなスターロードには乗れなかった。

 器用すぎるゆえの悲劇といえるのかもしれない。

東洋大に進学、1年生デビューなるか?


 プロ志望届を出せば、下位で指名されたかもしれない。しかし、村上は東洋大進学を決めた。

 一見、消極的な選択に見えるかもしれないが、技巧派としては“王道”の選択だ。大学、社会人で投球術に磨きをかけ成功するタイプに自身の将来を当てはめた。

 あの激闘から約1年。村上はすでに東洋大の練習に合流し、3月1日の明治大とのオープン戦で“0年生”ながら、3人を三者凡退で斬り、さっそく大学デビューを果たしている。

 技巧派としての使命は安定した投球結果。昨春の高校野球を極めたエースが“戦国東都”の4年間で自身のゲームメイクの才能を示せるのか。どんな投手に進化するのか。終わらぬ旅路も高校野球の魅力のひとつだ。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方