テレビ観戦の最大の利点は、VIP席ばりの特等席で観戦できることだろう。最高に楽な姿勢で、最高に楽な格好でOK。球場では許されない大胆なスタイルでの観戦ができるのは、自宅でのテレビ観戦のみ。
そんな完全無欠のプライベートスペースで許される特別な「観戦空間」を堪能してほしい。
お風呂で1日の疲れを洗い流し、一糸まとわぬいでたちで、キンキンに冷えたビールを流し込みながら見る野球。筆者はそれが本当に楽しい。本日からでも実践してみてはいかがだろうか。
ただ観戦するだけは嫌だ。選手とともに闘いたい。そんな熱血ファンの貴方にオススメするテレビ観戦は、選手と同じ量の汗をかく観戦方法だ。
テレビの前で、贔屓の打者になりきり打席(?)に立ち、同じ数だけバットをフルスイング! はたまた贔屓の投手とともにテレビの前でシャドーピッチング! 塁に出たらルームランナーで猛ダッシュ!
この観戦法を実践するには、それなりの広さの部屋を要する。しかし、それだけの設備投資を行い、汗をかきながら応援するならば、チーム愛もさぞかし深まることだろう。
ただし、ルームランナー上でのスライディングは危険なので厳禁だ。
応援のムードに気後れして、何となく球場観戦が怖い。でも、球場に一緒に行く野球仲間がいない……。そんな貴方は、勇気をふりしぼって野球居酒屋に足を運ぶといい。
近年はスポーツバーや、スポーツ居酒屋など、野球ファンが集うお店はたくさんある。特定のチームに特化したお店もあるので、贔屓のチームを応援している酒場を探して行ってみるのもいいだろう。
筆者も「カープ居酒屋」で仲間に出会った。その仲間たちと球場に繰り出すことを一番の楽しみにしている。同じ趣味を持つ仲間の絆は強く、野球以外での親交も深まるものだ。
野球はいいぞ。楽しいぞ。
最後に「どうしても球場に行きたい」という貴方のために、屋外でのテレビ観戦をオススメしたい。
今や、スマートフォンやタブレットで野球中継を見られる時代だ。「室内でなんか見ていられない!」と、居ても立ってもいられないときは、公園に出かけて野球観戦。野外感を演出してみるといい。
近隣住民に迷惑のかからぬ公園で大音量に設定し、球場の雰囲気を作る。公園のベンチを球場のシートに見立て、応援歌を歌い、「1人スクワット」をすれば、そこはもう球場だ。
最初は躊躇するだろう。しかし、踏み出す勇気が肝心だ。わかる人にはわかってもらえる……はず。公園観戦の友達だってできる……ことだろう。ただし、パトロール中の警察官には要注意だ。不審者認定は避けられない。そのときは、泣いて謝る勇気も必要とされる。覚悟しておいてほしい。
このように、工夫次第では球場よりも楽しくなるかもしれない(?)テレビ観戦。参考にしていただければ本望だ。また、新しいテレビ観戦の楽しみ方が見つかれば、紹介させてほしい!
文=井上智博(いのうえ・ともひろ)