毎年、発売される限定グッズの奇抜さも人気の一因といえるだろう。
毎年、超高額であろうとも、使い道がわからなくとも、即日完売となる限定グッズのなかから、今年、目を惹いたものを2点を紹介しよう。
■選手手形貯金箱(3万円)
実際にバットのグリップを握りしめた選手の手型を取って作った立体手形貯金箱。ラインナップは新井貴浩、丸佳浩、菊池涼介の3選手。各20個の限定商品だ。シワや血管までもリアルに再現した完成度の高さは衝撃的だ。
■グラブ革ランドセル(¥8万円)
話題となった大人ランドセルのカープバージョン。グラブの革を用いて作った真っ赤なランドセルは限定50個。希少価値が高く、8万円の高額ながら完売御礼となった。存在感のあるカープの刻印もポイントだ。このド派手なルックスは目立つことうけ合い。ビジネスシーンでも活躍必至!?
みなさんの購買意欲はそそられただろうか?
かつてはギター、ソファ、ライン引き、台車など、野球とは関係ないグッズも含めて発売され、完売となった。「限定」という魅力、他人と差をつけたいファン心理が購買意欲を高めるのか? 人気の秘密はここにもあるようだ。
ここからは筆者の秘蔵カープグッズを紹介することで、その人気の秘密に迫りたい。広島ファンの筆者もカープグッズ収集には余念がない。所有する観戦ユニフォームも10着を超える。そのなから選りすぐりグッズを、紹介しよう。
■限定Tシャツ
カープグッズといえば、サヨナラゲームやメモリアルなトピックスの翌日に販売される限定Tシャツが有名だ。近年のカープ人気で、そのほとんどが発売から数分で完売してしまう。
筆者が所有するのは2012年と2013年のTシャツ。いずれも石原慶幸の「サヨナラ記念Tシャツ」だ。奇しくも、球団初の限定サヨナラTシャツは2010年の「石原サヨナラ弾Tシャツ」。2014年には「石原6年連続サヨナラTシャツ」も発売されている……。
現在の広島の爆発的人気は、このように奇抜で楽しいカープグッズがきっかけだったという説もある。
用途すらも無視し、奇をてらったグッズの数々は持つだけで優越感にも浸れる。それがファン心理というものだ。そんなくすぐりポイントを手玉に取った巧みな手法と実行力たるや恐れ入る。
しかし、筆者を含め、その手法に進んでハマる者が後を絶たないほどの魅力があることは確か。そして、それもこれもカープが魅力的だからこそなせる技なのだろう。さぁ、今年も新たなグッズに身を包み球場に繰り出そう。
文=井上智博(いのうえ・ともひろ)