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◎今週の野球みどころランキング[2月18日(月)〜24(日)]

 『今週の野球みどころランキング』は、2月前半の主な野球界の出来事を振り返ります。最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしておいてください!


アメリカでは禁止薬物使用疑惑の話。日本では中日クラークが疑惑に。
―――MLB&NPB

 1月末、メジャーで薬物疑惑が再浮上。昨シーズンはブルワーズのライアン・ブラウン、ジャイアンツのメルキー・カブレラ(現ブルージェイズ)に薬物使用の噂が持ち上がり、カブレラは後半戦に50試合の出場停止処分を受けました。一度は沈静化しましたが、今回の疑惑の中心はヤンキースのアレックス・ロドリゲス。フロリダ州マイアミにあるクリニックのオーナーから禁止薬物の注射を受けていたと報道されています。そのほかにも前述のブラウンやカブレラ、ナ・リーグの最多勝投手、ナショナルズのジオ・ゴンザレスらがヒト成長ホルモン(HGH)やステロイドの提供を受けていたと伝えており、キャンプインを前に疑惑は拡大。なおロドリゲスは報道を否定しているとのこと。
 日本では、中日に入団した内野手マット・クラークが、規制対象となるアンフェタミンを含む薬を服用していたことがわかり、キャンプ地の沖縄県警より尿検査や事情聴取などを受けました。クラークは「持病のために服用していた薬」と説明しており、12日には悪質性は低いとして逮捕を見送り書類送検の方針が固まりました。NPBも診療履歴などからクラークの説明を認め、処分を科さないとしています。


キャンプ報道、中心はやっぱり大谷
――― ドラフト&NPB

 2月1日に始まったキャンプも中盤から終盤に入っています。16日からは練習試合が、23日からはオープン戦が始まることもあり、選手たちもシフトチェンジといったところでしょうか。注目を浴びているのは例年通り新人選手。日本ハムの大谷翔平、阪神の藤浪晋太郎らのもとには連日報道陣や解説を務めるOBが取材に訪れ大盛況。投打二刀流に挑む大谷には、取材者やコーチ、関わる人はほとんどみんなコメントを求められているようです。
「印象に残ったのはスライダーとドロップのようなカーブ。あっぱれどころか大あっぱれ」(張本勲氏)
「疲れがあるのかな。フォームのばらつきがあった」(与田剛氏)
「真っすぐと同じ腕の振りで変化球も放れる」(島崎毅1軍投手コーチ)
「直球だけなら伊良部の若い頃より上です」(福沢洋一2軍バッテリーコーチ)
「ダルの1年目より速かった」(日本ハム・渡部龍一ブルペン捕手)
「140キロは出ていた。でかいからむちゃくちゃ近く感じた」(日本ハム・大嶋匠)
「まだ頭の中と体の動きが一致していない」(日本ハム・紺田敏正2軍外野守備走塁コーチ)
「バットのトップの位置がいい。腰と連動してバットが出る」(野村克也氏)
「センターから逆方向にいい打球を飛ばしていた」(日本ハム・稲葉篤紀兼任コーチ)
「体が柔らかい。速いですね。可能性を感じる」(NPB加藤良三コミッショナー)
「まるでジーター」(巨人・香坂英典編成調査室長)
 投についても打についても多くは評価の声。今のところは期待に違わぬポテンシャルを見せているようです。これから続く練習試合やオープン戦でこの評価はどう変わって行くのでしょうか。
 そのほかドラフトで話題になった選手の多くはケガもなく順調にキャンプを過ごしている様子。中でも巨人のドラフト1位投手の菅野智之は、長嶋茂雄終身名誉監督が「悪くても12〜13勝はする」と、また400勝投手の金田正一氏が「今時珍しく、腕が1コマ、2コマ遅れて出てくる。打者は苦労する。自分を見ているようだ」とコメント。超大物2人から高い評価を受けていました。


98年横浜Vメンバー最後の野手、佐伯貴弘が引退
――― オフの話題

 2月3日、横浜(現DeNA)と中日でプレーした佐伯貴弘が引退を表明しました。このオフは松井秀喜、金本知憲、小久保裕紀、城島健司、田口壮ら90年代から2000年代のプロ野球を盛り上げた選手の引退が相次ぎました。そうした選手と同世代にあたる佐伯は、2010年に横浜を戦力外通告。2011年は移籍した中日でプレーしましたがオフに再び戦力外通告。浪人状態で1年を過ごし、このオフは秋にロッテの入団テストや12球団合同トライアウトにも挑戦し、現役復帰を目指していました。しかし42歳という年齢もあり、手を挙げる球団は現れず。この度ついに引退が決まりました。
 報道では、年明けも体を動かし声が掛かるのを待っていたとのこと。最後のコメントは「小学2年でプロ選手になると決めたおやじの命日の1月28日に決断した。結果には後悔ばかりだが、結果を残すためにやってきたことに後悔はない」というものでした。
 これで98年に横浜を38年ぶりの日本一に導いた主要メンバーで現役を続けているのは、投手の三浦大輔(DeNA)と斎藤隆(楽天)、捕手の谷繁元信(中日)を残すのみ。野手では佐伯が最後の選手でした。


「城島と衝突」したヘルナンデスがメジャー投手史上最高額の契約
――― MLB

 2月13日、マリナーズのエース・フェリックス・ヘルナンデスが契約を延長しました。その内容は7年総額で1億7500万ドル、日本円にして約163億円。1年あたり23億円強という途方もない額での契約。これまでの投手での最高額は、2008年にC・Cサバシアがヤンキースと結んだ7年1億6100万ドル(約151億円)。ヘルナンデスはこれを上回りメジャー史上最高額の契約を結んだ投手になりました。
 ヘルナンデスはベネズエラ生まれの26歳。2005年に19歳でメジャーデビューして以来、マリナーズは投球制限をもうけるなどして計画的に起用してきました。そのかいもあって2009年にはチーム初の最多勝、2010年にはサイ・ヤング賞、2012年には完全試合を達成するなど、メジャーを代表する投手に成長。今回の長期契約は、育成段階からコンディションを把握し続けてきたチームが、まだ当分の活躍が見込めると踏んだものなのかもしれません。ちなみにヘルナンデスは日本では、2006年から09年にマリナーズに所属していた捕手・城島健司と衝突していたことでその名を知られる選手でもあります。
 なお、ヘルナンデスはこの契約の合意直後、WBCベネズエラ代表入りを辞退することを表明。2009年の第2回大会で主戦投手として見せた活躍を期待していた祖国のファンを落胆させました。


プロアマ交流の取り組み「冬季特別トレーニング」が東西で開催。
――― アマチュア野球

 シーズンに向け準備を進めているのはアマチュア球界も同じこと。先日センバツ出場校が発表された高校野球界はもちろん、大学や社会人なども準備が始まっています。
 そんななか、今後前進しそうな“プロアマ雪解け”の流れを受けた取り組みである「冬季特別トレーニング」が2月に入り行われました。これは全日本大学野球連盟と読売新聞社が主催する元プロ野球選手による大学生への技術指導で、プロアマ交流促進とアマの技術向上を目指すもの。今年で3回目となり、例年は東日本のみでの開催でしたが、今年は川崎市のジャイアンツ球場の室内練習場と西日本の兵庫県西宮市の阪神タイガース室内練習場の2カ所で開催されました。2月7日、8日には東日本の大学から56選手、14日、15日には西日本の大学から90選手が参加しました。
 また、大阪市立桜宮高校バスケットボール部に端を発した体罰問題が話題になったのを機に、いくつかの中・高野球部に対し匿名での投書などが届いているようです。以前よりアマチュア球界での暴力事件や体罰が問題視されることはありましたが、抜本的な改革はされてきませんでした。今回はスポーツの枠を超えて議論が広がっています。効果的な改善策を期待したいところです。


マイナー契約4選手が、勝負のキャンプイン
――― MLB

 2月13日、このオフ、レッドソックスからFAとなった松坂大輔がインディアンズとマイナー契約を結びました。昨シーズン、右ヒジを手術し復帰するも結果を残せなかったことが影響し、また先発にこだわった結果、契約まで長い時間がかかりました。契約も今季メジャーでプレーできるかは招待選手として参加するキャンプでの出来次第という中途半端で厳しいものになりました。
 松坂の獲得はインディアンズのテリー・フランコナ監督の強い推薦があったと見られます。松坂のメジャー1年目から5年目までを見守った指揮官は、復活の兆しを感じたのかもしれません。トミー・ジョン手術から2年目のシーズンに調子を取り戻す選手は多いのは事実。まだ32歳の松坂には、野茂英雄や伊良部秀輝、そして昨季のイチローと、移籍を経て輝きを取り戻した選手たちのように、クリーブランドでもうひと花咲かせてほしいところです。
 そのほか、松坂と同じようにマイナー契約で参加する選手は、元日本ハムの田中賢介、元ソフトバンクの岡島秀樹、元阪神の小林宏之らがいます。日本ハムからFA宣言しながら、なかなか移籍先が決まらなかった田中は1月末にジャイアンツへ。2012年は日本でプレーし成績を残しながら再びメジャーに挑む岡島はアスレチックスへ。そして阪神を戦力外となり国内でのプレーを目指しながら移籍先を見つけられなかった小林宏之はエンゼルスと契約。いずれも招待選手としてキャンプに参加し、メジャー昇格を狙います。34歳の小林は昇格できなければ引退も示唆。2月中盤より、それぞれ勝負のキャンプに挑んでいます。


“侍ジャパン”28選手が20日に決定
――― WBC

 2月15日、宮崎市の宮崎県総合運動公でWBC代表「侍ジャパン」の合宿がスタート。33名の代表候補が参加しています。合宿は21日まで行われ、17日に広島との強化試合が行われました。  17日の試合は7対0の3安打完封負けというまさかの結果。田中将大(楽天)、内海哲也(巨人)、山井大介(中日)らが打たれ、打線は広島側で登板した前田健、今村猛から3安打のみ。代表候補に選ばれていない投手からは無安打でした。18日の西武との試合は雨天中止となり、バントシフトや、けん制などサインプレーの確認などの練習を行いました。
 当初は18日の試合後に日本代表28名を発表する予定でしたが、延期となり、20日に紅白戦を行い、その後に日本代表が発表されるようです。
 日本代表は23・24日にオーストラリア代表との壮行試合を、26日に阪神、28日に巨人と強化試合を行い、3月2日にWBC開幕を迎えます。
 また、今週からスタートとなった「みんなで予想! 野球太郎なんでもダービー」(ドコモ限定で連載)では、WBC壮行試合に関する予想クイズが出題されています。こちらに答え、ポイントを貯めていくと、豪華賞品がもらえます。ぜひご参加ください。


<<プロ野球開幕までの主なスケジュール>>
2月15日〜21日 WBC強化合宿 @宮崎
2月23日〜3月24日 オープン戦
2月23,24日 オーストラリア戦 @京セラドーム大阪
2月26日 阪神タイガース戦 @京セラドーム大阪
2月28日 読売ジャイアンツ戦 @ヤフオク!ドーム

<2013WORLD BASEBALL CLASSIC開幕!>
3月2日 19:00 WBC第1ラウンド vs ブラジル @ヤフオク!ドーム
3月3日 19:00 WBC第1ラウンド vs 中国 @ヤフオク!ドーム
3月6日 19:00 WBC第1ラウンド vs キューバ @ヤフオク!ドーム
3月8日 WBC第2ラウンド @東京ドーム (12日まで)
 プールA(日本、キューバ、中国、ブラジル)の上位2チームとプールB(韓国、オランダ、オーストラリア、チャイニーズ・タイペイ)の上位2チームで争う。(ダブルエリミネーション方式
3月11日 JABA東京スポニチ大会(4日間)
※この大会を皮切りに各地方で社会人野球の大会が開催される。JABA=Japan Amatetur Baseball Association
3月15日 センバツ組み合わせ抽選会
3月16日 イースタン・リーグ開幕
3月18日 WBC決勝ラウンド @アメリカ・サンフランシスコ(20日まで)
3月22日 センバツ開幕(13日間)・ウエスタンリーグ開幕
3月25日 セ・リーグ6球団合同「ファンミーティング」@東京ビッグサイト
3月29日 セ・パ両リーグ開幕戦
※時間はすべて日本時間です

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