昨秋の新チーム結成後に浜地真澄(阪神)からエースを引き継いだ福大大濠の三浦銀二。秋の福岡県大会、九州大会、明治神宮大会と全13試合を1人で投げ抜き6完封を記録。九州大会では3試合連続完封をマークするなど、まさに高校球界の「ミスター完封」だ。今年のセンバツでは、延長15回引き分け再試合となった滋賀学園戦を含む3試合で完投した。
最後の夏は福岡大会で、エースの苗字が石田の年に甲子園出場を果たすという「石田伝説」を持つ東筑に敗退。甲子園に帰ってくることはできなかった。
三浦は「プロも視野に入れて考える」とコメントしており、プロ志望届を出す可能性は高い。最速146キロのストレートにスライダーを武器として試合を作ることができる右腕を各球団はどう評価しているのか。U-18ベースボールワールドカップで結果を出し、評価を高めたい。
昨秋の東京都大会決勝で早稲田実に敗れはしたものの輝いた選手がいた。日大三の左腕・櫻井周斗だ。
その決勝では9回裏に早稲田実の4番・野村大樹に2点本塁打を浴びるなど、4点を奪われ逆転サヨナラ負け。しかし、清宮からは5打席連続三振を奪い意地を見せた。内角へのストレートで攻め、最後は外へのスライダーで空振りを奪うお手本のような配球でプロのスカウトからの評価も上昇。全国レベルで名が知れ渡るようになった。
センバツでは初戦でスラッガー・安田尚憲を擁する履正社と対戦。敗戦投手となったものの安田から3三振を奪うなど、ここでも存在感を見せた。
最後の夏は西東京大会で東海大菅生に敗れ、甲子園出場はならなかった。しかし、侍ジャパンU-18チームに選出されたように、その実力は折り紙つきだ。近年の日大三の有力選手は大学進学が既定路線のように見えるが、昨年のドラフトでは坂倉将吾が広島に入団。櫻井も直接プロ入りする可能性はありそうだ。櫻井の進路表明に注目が集まる。
木更津総合の左腕エースとして夏の甲子園に出場した山下輝。初戦の日本航空石川戦では8回まで1失点に抑えたものの、9回2死から4点を奪われ逆転負け。昨年のエースで甲子園ベスト8に進出した先輩・早川隆久(早稲田大)のような成績を残すことができなかった。
しかし、最速144キロのストレートを武器に10奪三振を奪うなど、評判通りの投球は見せてくれた。
187センチ87キロの長身から投げ下ろすストレート、スライダーは魅力的。プロのスカウトからの評価も高く、プロ志望届を提出すればドラフト指名は確実だ。現時点では、先輩の早川同様に東京六大学への進学が噂されており、去就は不明。今後の動向を見守りたい。
三浦と櫻井は最後の夏に甲子園に出場できなかった鬱憤を、山下は甲子園での逆転負けの悔しさを、U-18ベースボールワールドカップで晴らしてほしい。