春季キャンプも終わりオープン戦が本格化してきた。若手選手にとっては開幕1軍のチャンスをつかむ大事な時期となる。飛躍の年にするべく、今季活躍が期待されるパ・リーグの若手野手を紹介しよう。
富士大出身のプロ2年目内野手。守備位置は一塁か三塁で、体型、打撃スタイルとチームの主砲・中村剛也との共通項が多い「おかわり2世」。チーム内ではその体型と沖縄出身から「アグー」と呼ばれている。
プロ1年目の昨年は、2軍で21本塁打を放ちイースタンリーグの本塁打王を獲得。9月15日の楽天戦ではプロ入り初安打となる初本塁打を辛島航から放った。プロ1年目の1軍成績は打率.100、2本塁打、3打点だった。
今春は紅白戦で弾丸ライナーの本塁打を放ち、自慢の長打力を再アピール。中村、メヒア、浅村栄斗と強打者が並ぶ打線に山川が加われば、西武の打線はさらに厚みを増すだろう。また、練習中では一際声を出すなど、ムードメーカーとして役割にも期待だ。
東大阪大柏原高時代は高校通算55本塁打を放った右のスラッガー。高い身体能力を持ち、走攻守三拍子揃ったプロ4年目の外野手だ。
プロ2年目の2013年は1軍で5打数ノーヒットに終わるが、昨年は4月から1軍でプレーし、4月17日のオリックス戦でプロ初安打を記録する。本拠地・札幌ドームで行われた5月20日の中日戦では7回に代打で登場。パヤノが投じた初球を迷うことなく振り抜き、プロ入り初本塁打となる勝ち越し2ランをバックスクリーンに叩き込んだ。44試合に出場し、打率.229だったが、得点圏打率は.391と高い数字を残し勝負強さを見せた。
左翼手に中田翔、中堅手に陽岱鋼と不動のレギュラーがいるため、右翼手を西川遥輝、谷口雄也らと争うことになる。昨年は同期入団の上沢直之が先発ローテーションに定着し、近藤健介も89試合出場と結果を残した。今度は石川の番だ。
八重山商工高出身のプロ6年目の内野手。同じロッテに在籍する大嶺祐太が実兄なのは、説明不要だろう。プロ4年目まで1軍出場はなかったが、2013年は2軍で全試合出場するなど着々と経験を積んできた。
昨年は8月に初めて1軍に昇格すると、8月7日の楽天戦に「9番・三塁手」で初めてスタメン出場。3回にプロ入り初安打が本塁打、というメモリアルな一打を放った。10月に行われたファーム日本選手権では本塁打を含む5打数3安打1打点の活躍でMVPを獲得した。ブレイクを予感させる活躍ぶりを見せた1年だった。
今春はオープン戦初戦となる2月21日の中日戦で本塁打と、昨年の勢いを加速させた形で、幸先良い滑り出し。本職の三塁手だけでなく、二塁手にも挑戦し初の開幕1軍入りを狙う。