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ロングリリーフに便利屋……。高梨雄平(楽天)らブルペンを支えた陰の功労者たち(パ・リーグ編)

ロングリリーフに便利屋……。高梨雄平(楽天)らブルペンを支えた陰の功労者たち(パ・リーグ編)

 今年のプロ野球もソフトバンクの日本一奪還で大団円を迎えた。華々しい活躍を見せた選手もいれば、不振に終わった選手もいる。シーズンを通して見れば、大奮闘した選手もいる。

 特に注目したいのはリリーフ陣。シーズン中は「投げて当たり前」といった風に登場する彼らだが、通年で見ると価値が変わってくる選手も多い。なかでもロングリリーフや便利屋を務め、陰の働きをした投手にはあらためて敬意を表したい。

 今季の各球団の働き者投手を紹介したい。今回はパ・リーグ編!

石川柊太(ソフトバンク)


■2017年成績
34試合:12先発/8勝3敗/1ホールド/投球回98.1/防御率3.29

 中継ぎ、先発と大活躍だったのは育成出身の25歳・石川柊太。交流戦から夏にかけては先発で6勝を挙げ、成功を収めていたが、チーム事情から秋にリリーフ再転向。どこでも投げられる頼れる便利屋になっている。2015年の千賀滉大もポストシーズンのロングリリーフ待機から、翌年先発で2度目の大ブレイクを果たした。ソフトバンク投手陣の出世街道に乗れるか。

平井克典(西武)


■2017年成績
42試合:0先発/2勝0敗/4ホールド/投球回45.0/防御率2.40

 西武はリリーフ陣の立て直しに成功したが、カギは25歳のオールドルーキー・平井克典の加入だった。ドラフト5位ながら、変則サイド右腕の特徴を大いに生かし、ビハインド時を中心に安定した投球を見せた。変則即戦力リリーフは継続がカギ。来季以降のデキに注目。


高梨雄平(楽天)


■2017年成績
46試合:0先発/1勝0敗/14ホールド/投球回43.2/防御率1.03

 松井裕樹、福山博之、ハーマンが「表」を支えた楽天リリーフ陣だが、ルーキーの「陰」の働きも見逃せない。前半戦は森原康平、菅原秀が好調だったが、やや疲れが見えた夏に代わって飛び出してきたのは高梨雄平だ。こちらも西武の平井と同様に25歳のオールドルーキー。クセのある投球フォームでドラフト9位ながら、初見殺しの活躍を見せた。

 西武・菊池雄星の二段フォーム騒動の際には「高梨はどうなんだ?」と思わぬ飛び火が降りかかったのが、少し心配な要素。春季キャンプでの審判団のジャッジにも注目したい。


金田和之(オリックス)


■2017年成績
34試合:0先発/4勝1敗/2ホールド/投球回39.0/防御率4.15

 オリックスでは糸井嘉男の人的補償で阪神からやってきた金田和之が奮闘した。特に好調時はイニング跨ぎも苦にせず、8月から4勝を挙げる好救援。いずれも無失点で、追いつかれた末の勝利投手ではなく、ここ一番で堪えることができる投手になってきた。


村田透(日本ハム)


■2017年成績
15試合:8先発/1勝2敗/0ホールド/投球回52.0/防御率2.77

 今季、便利屋の中の便利屋になったのは村田透だろう。1軍と2軍の往復がなんと5回。7月、8月には1軍登録したその日に先発登板し、翌日2軍に戻るトンボ帰りもあった。8月末からはロングリリーフ待機し、3イニングを1回、4イニングを2回投げ、若手先発をサポートした。

 32歳で世代交代の荒波に揉まれたが、出場機会さえあればもっとやれるはず……。頼れる敗戦処理、谷間の先発で終わる選手ではない。


チェン・グァンユウ(ロッテ)


27試合:8先発/3勝4敗/4ホールド/投球回63.0/防御率3.29

 ロッテ投手陣のユーティリティーはチェン・グァンユウ。2011年に台湾国立体育大から横浜に入団し、はや7年になる。今年は先発、リリーフの両方で投げ、2015年のイ・デウンのような働きを果たした。先発時の乱調癖が気がかりだが、ロッテの選手層を考えるとチェン・グァンユウのような便利屋の働きがしぶとく効いてくる。球団は「日本人選手と同じように見ている」と来季の契約更改を示唆。台湾代表左腕が来季のロッテ投手陣のキーマンになりそうだ。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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