今年の登録メンバーの名前を見ていると、「虎」という字を使われている選手が多いことに気がつく。
例を挙げると西山虎太郎(履正社)、小河虎之介(広島新庄)、平沢津虎輝(クラーク国際)。3日目に対戦した山梨学院と長崎商にはそれぞれ滝沢虎太朗と田中虎次郎がいた。
今年の3年生が主に寅年生まれということもあるだろうが、甲子園は高校球児の聖地であるとともに阪神タイガースの聖地でもあるため、やはり虎を惹きつける模様。
高校野球のバイブルのひとつである『ドカベン』だが、今年の出場選手のなかにまさにリアルドカベンという選手がいる。それは京都翔英の捕手・石原彪(写真)。
169センチ87キロという体格は、175センチ85キロだった高校時代のドカベン・山田太郎とほぼ重なる。
高校通算42本塁打と体に違わぬ長打力も備えているので、山田太郎のようになれるか、その将来にも注目したい。
甲子園に初めて「両投げ両打ち」で登録された選手が登場。
鶴岡東の工藤大輔という外野手で、元々は右投げ左打ちだったが右ヒジの故障を機に左投げを始めたことで左も使えるようになったそう。
1回戦では1番センターで出場して2安打を放った。試合には敗れてしまったが、スイッチプレーヤーの今後が楽しみだ。
毎年、様々な球児が甲子園に挑むが、マンガもびっくりの今年も個性豊かなメンバーが揃っている。
これから準決勝、決勝と続くなかで気の早い話だが、来年はどんな球児が飛び出すのか。たとえ鬼が笑っても楽しみでならない。
文=森田真悟(もりた・しんご)