ドラフト会議が間近に迫っている。すでに高校生、大学生のプロ志望届の提出は締め切られ、各球団は候補リストの最終確認を行っている最中だろう。今年は、昨年の清宮幸太郎(現日本ハム)のように超大物の候補は不在だが、楽しみな逸材は揃っている。
その一人が「高校生ナンバーワン遊撃手」とも称される小園海斗(報徳学園高)だ。
高校入学時から注目を集めた小園は昨年、2年生ながら藤原恭大(大阪桐蔭高)とともに侍ジャパンU-18代表に選出された。清宮、藤原らと臨んだU-18 ワールドカップでは9試合で打率.378(37打数14安打)と活躍。3年生となる今年はさらに大きな期待がかかっていた。
そして迎えた最後の夏、2度目の甲子園となった小園は初戦で大会記録となる
3本の二塁打を放ち、存在感を見せつける。しかし、その後は思うような結果を残せず悔しい思いをした。
その鬱憤を晴らすかのように、甲子園後に行われたU-18アジア選手権では打率.524(21打数11安打)と大当たり。木製バットへの対応もしっかりとしてみせている。
小園の持ち味は走攻守揃っている部分だ。
打撃面は、多くの高校生ドラフト候補の課題として木製バットへの対応が取り上げられるなか、2度の国際大会で対応できることを証明した。また、侍ジャパン大学代表との壮行試合では、ドラフト候補の松本航(日本体育大)から一発を放ちパワーも見せている。
守備面では打球への反応がよく、深い守備位置から広い守備範囲をカバーする。ただ、極端に深い守備位置は平凡な当たりをアウトにできないリスクも伴う。また、アジア選手権では1試合3失策を記録するなど脆い面をみせた。しかし、野球にミスはつきもの。これからどう修正するかが今後の鍵となりそうだ。
ドラフト1位も含めた上位で指名されることが濃厚な小園。どの球団に入ったとしても、当面は遊撃手として起用されそうだ。
とくにレギュラー遊撃手が20代後半から30代のチームは、次の遊撃手として2軍で数年鍛えて2年目、3年目あたりで1軍デビューといった青写真を描くことが予想される。
しかし、チーム事情によってはコンバートも十分にありえるだろう。今シーズンも近年、高卒上位で指名された遊撃手の宗佑磨(オリックス)が中堅へ、平沢大河(ロッテ)が右翼へとコンバートされた。両選手ともに身体能力が高く将来の軸となると考えられていたが、遊撃手としてはポジション奪取には至らず。しかし、持ち前の身体能力の高さを生かして、コンバート先の外野でポジションを確保したのだ。
宗や平沢の例からもわかるとおり、各球団が指名するポイントには「遊撃手ができる身体能力の高さはコンバートも行いやすい」といった特徴も含まれているだろう。
選手としてのタイプは違えど、理想の成長曲線としては今宮健太(ソフトバンク)といったところだろうか。今宮は1年目に1軍での出場はなかったものの、2年目に18試合に出場。3年目でレギュラーを奪うと、そのまま日本を代表する遊撃手となった。この成長曲線を描けば小園の育成は大成功と言っていいだろう。
また、打撃が通用するならば、2年目からレギュラーを獲得した坂本勇人(巨人)のような活躍も見込める。しかし、1学年上の怪物スラッガーの清宮でも1年目は苦労しており、そこまでの結果を求めるのは少し酷かもしれない。
もちろん、現時点ではどれほどの打撃成績を残すのかはわからない。しかし、1年目、2年目から打撃面で坂本と比較されるようなら、将来、大物になることは間違いなさそうだ。
今年の高校生遊撃手のドラフト候補は、小園以外にも二刀流の根尾昂(大阪桐蔭高)や大田椋(天理高)が上位指名を予想されている。各球団の評価はいったいどのようなものなのだろうか。答え合わせは10月25日だ。
文=勝田聡(かつた・さとし)