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【2019年夏の甲子園 福井みどころ】玉村を筆頭に今年の福井はスピード天国 激戦のナンバーワン遊撃手争いは必見だ

投手編〜左の玉村と右の浦松に熱視線

玉村昇悟
 今年は投手のレベルが高い。筆頭となるのが左腕では全国トップクラスと評判の玉村昇悟(丹生)。キレと制球力のよさが彼の持ち味だが、それに加え、球速も上がってきており、最速は147キロまで伸ばした。ドラフトでの上位指名も期待できそうだ。

 侍ジャパンU-18代表1次候補に選ばれた浦松巧(啓新)はサイドから浮き上がるようなストレートと横滑りするスライダーが武器。数少ない変則タイプであり、食指を動かす球団が出てくるかもしれない。

 140キロを超える右腕投手が多い。小林勇仁(福井商)は昨夏に148キロを計測し、周囲を驚かせた。制球が安定しない“暴れ馬”だが、ハマッた時は手が付けられない迫力がある。
 黒田悠斗(敦賀気比)は今春に147キロを計測。上背はないものの、切れ味抜群で変化球も多彩だ。安積航大(啓新)は伸びのあるストレートを低めに集められ、安定感抜群。市川将大(福井工大福井)は最速143キロのストレートと曲がりが鋭いスライダーが武器で、今春に急成長した。
 同じく著しく成長し、名門校の新エースとなった江藤千貴(福井商)。落差のあるフォークで三振が奪える。
 石川凌太朗(武生)は力強い球を投げる。

 2年生では倉橋瞳人(啓新)が140キロ以上をコンスタントにマークし、来年が楽しみだ。
 左腕では駒井将生(北陸)。187センチからの角度が魅力的。課題の制球難も克服し、安定してきた。
 昨年から主戦を担う垣外中健心と高木寛斗(ともに福井工大福井)の両左腕は伸びしろ十分だ。

野手編〜打撃開眼した木下元秀に注目

高原侑希
 投球では内海哲也(西武)2世と評される木下元秀(敦賀気比)は、ヒジの故障で出遅れた。その代わりと言わんばかりに本塁打を量産中、打撃で目立っている。“逆方向へ引っ張る”という表現が当てはまるスイングは迫力満点だ。その打棒にスカウトが熱視線を送っている。

 強打の捕手・穴水芳喜(啓新)はインサイドワークがよくなった。投手陣の信頼が厚い。

 今年は遊撃手に好選手が多い。通算で20本塁打を数える高原侑希(福井工大福井)は走攻守でポテンシャルが高く、今年の野手では一番プロに近い存在だろう。
 小林寛弥(坂井)は下級生時から遊撃を担う。攻守のバランスがよく、主将としてチームを支える。
 中川宙(敦賀気比)はシュアな打撃で、進塁打もしっかり打てる職人肌の選手だ。
 蓬莱谷歩夢(科学技術)は堅実な守備に定評がある。
 吉村碧生(福井農林)は2年生ながら攻守でチームの中心だ。
 野道大誠(敦賀気比)がライナー性で外野手の間を抜く打球が多く「ミスター二塁打」の異名を持つ。

 外野手に目を向けると、山野昂汰郎(福井工大福井)はとらえた時の飛距離に驚愕を覚える。大型ながら中堅手としての守備能力も高い。
 高原秀郎(敦賀気比)は走攻守三拍子が揃う。特に強肩が目立ち、補殺で何度もチームを救った。
 宇野裕心(藤島)は大型で強打が売り。県内一の進学校としては異色の選手だ。

 2年生では浅里友輝(福井工大福井)が小柄だがパンチ力がある。

大会展望〜春季大会4強が中心となる展開

福井地区勢力ピラミッド
強力打線と安定した守備力で2季連続県大会を制した福井工大福井、豊富な投手陣と上位打線に力がある敦賀気比、安積と浦松の2枚に倉橋が成長し投手力が盤石となった啓新、チャンスに強く試合巧者ぶりを発揮する福井商、以上の春季大会4強が順当に勝ち上がる公算が大きい。
4強との力差は歴然としているが波乱を演じるとするなら、好投手・玉村を擁する丹生、秋季県大会準優勝の金津、近年上位に食い込んでくる坂井、古豪復活の兆しを見せる若狭あたりか。

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