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コーディエ2軍修行中で守護神・平野佳寿復活! オリックス救援投手事情を探る


「時速100マイル(約160キロ)の速球を投げる」と前評判の高かったオリックスの新外国人エリック・コーディエ。

 昨季はフロリダ・マーリンズで同僚だった、あのイチローから「ハンドレッド(100マイル投手)」と呼ばれていたコーディエは、開幕時にはクローザーとして起用された。しかし、2度の救援失敗で登録抹消。オリックスは救援投手の再編成を余儀なくされた。

現在はヒゲを短くしているコーディエ


 オープン戦では5試合に登板したコーディエ。失点を許さず、ほぼ完璧に抑えた。球速は150キロを超え、これならいずれ160キロも出るのではないかと思われた。しかし、クローザーとして開幕を迎えたものの、いざ始まってみるとオープン戦の成績が嘘だったように相手打者を抑えられない。

 来日初登板は西武との開幕戦。4対3の1点リードで9回のマウンドに登るも、秋山翔吾に四球を与え、栗山巧、エルネスト・メヒアに安打を浴びてサヨナラ負けを喫する。これがオリックス序盤の足踏みの始まりであった。

 西武との3戦目は5対3と2点リードで登板。1点を失い、さらに二死満塁まで追い詰められる。最後は三振で切り抜け、初セーブを挙げるが、とても安心して見られたものではない。

 コーディエは、150キロ台のストレートが武器。しかし、ストライクが入っても、簡単にバットに当てられファウルで逃げられる。つまり、空振りが取れないのだ。その上、制球が悪く、ストライクが入らない。そして、カウントを悪くし痛打を食らう。コーディエは4月7日に早々と登録抹消。成績は4試合0勝1敗2セーブ、防御率13.50と散々だった。

 現在はファームで調整中のコーディエは、5月4日現在、8試合に登板して2勝2セーブ、防御率2.35。課題はクイックとストライクを取れる変化球の取得といわれている。1軍へ上がってくるまでは時間がかかるかも知れない。ちなみに自慢のヒゲは短くしている。


100マイル降格で、100セーブを達成の平野佳寿


 配置転換によって、セットアッパーからクローザーになったのが平野佳寿だ。

 今年の平野は、不調だった昨年とは明らかに違う。当時のパ・リーグのセーブ記録となる40セーブを達成した、2014年に近い状態に戻っているように見える。とくにフォークボールのキレが素晴らしい。

 クローザーに配置されてから平野はセーブを重ね、4月24日QVCマリンでのロッテ戦で、通算100セーブを達成。コーディエがクローザーの地位を確立していれば、達成できていなかったかもしれない。

 5月4日現在の成績は、14試合1勝2敗6セーブ4ホールド、防御率1.84。この後53試合に登板すれば、通算500試合登板となる。

将来のクローザー候補? 不敵な笑みが気になる塚原頌平


 セットアッパーとして平野の前を投げるのが塚原頌平だ。塚原は昨年41試合に登板、故障者続出の投手陣を助けた功労者だ。勢いのあるストレートを投げるのと同時に、強いハートを持っている。

 時折みせるマウンド上での不敵な笑みが不気味な塚原。23歳とまだ若く、将来のクローザー候補になるかも知れない。


新しい勝ちパターンの完成


 4月14日京セラドームでの日本ハム戦。1対0でオリックスが勝利した試合で、4人の投手がヒーローインタビューのお立ち台に上がった。山崎福也、岸田護、塚原頌平、平野佳寿の4人だ。先発、山崎福が6回を投げ、その後を岸田、塚原、平野が1回ずつの完封リレーを達成した。これで平野が今季初セーブをあげる。この投手リレーが、今のオリックスの勝ちパターンであろう。

 リリーフ陣は他に、佐藤達也、海田智行、白仁田寛和。それに昨年まで先発だった吉田一将が加わる。果たしてコーディエはこのリリーフ陣に加わることができるのか、それともこのまま忘れ去られてしまうのか。幻のハンドレッド・マイルに終わらないよう、願うのみだ。


文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
大阪在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。

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