今季のパ・リーグの代打安打ランキングの上位9人は以下の通りだ。
1位:矢野謙次(日本ハム)
7安打(代打打率.184/0本塁打/7打点)
2位:西野真弘(オリックス)
6安打(代打打率.273/0本塁打/4打点)
3位:モレル(オリックス)
5安打(代打打率.556/1本塁打/5打点)
4位タイ:栗山巧(西武)
4安打(代打打率.267/1本塁打/6打点)
4位タイ:福浦和也(ロッテ)
4安打(代打打率.160/0本塁打/5打点)
4位タイ:松本剛(日本ハム)
4安打(代打打率.667/0本塁打/2打点)
4位タイ:聖澤諒(楽天)
4安打(代打打率.167/0本塁打/4打点)
4位タイ:小谷野栄一(オリックスオ)
4安打(代打打率.400/2本塁打/9打点)
4位タイ:武田健吾(オリックス)
4安打(代打打率.235/0本塁打/1打点)
(成績は10月4日現在、カッコ内の成績は代打時のもの)
日本ハムにおける右の代打としてスタンバイし、パ・リーグ最多の代打安打を放ったのが矢野謙次だ。5月5日には代打で、続く6、7日は先発として3試合連続打点を記録するなど、シーズン前半は活躍が光っていた。しかし、後半はバットが湿りがちで、9月末には戦力外通告の報道も。37歳という年齢的にも、決断を迫られるタイミングなのかもしれない。
一方、ランキング内で代打打率が高かったのがモレル(オリックス)と松本剛(日本ハム)だ。
モレルは、外国人枠の関係もあって2年目の今季は出場機会が減っていたが、トータルの打率が.276だったのに対し、代打では9打数5安打で.556と勝負強さを見せた。なお、モレルは今季限りで現役を引退し、アメリカで父親が営むブドウ農園の跡継ぎとなるという。そのブドウは、日本でも会員制スーパーのコストコで販売されているとのことなので、訪れた際には、ぜひ手に取ってみてはいかがだろうか。
松本は、帝京高出身の6年目。昨年までは10試合程度の出場にとどまっていたが、今季は序盤から、先発出場だけでなく代打、代走、守備固めと様々な場面で起用され結果を出し、交流戦あたりから2番打者に定着。トータル113試合に出場し打率.271とキャリアハイの成績を残した(代打では7回起用され6打数4安打)。来季は主力としての活躍が期待される。
代打で2本塁打、9打点(ともにリーグ最多)を記録したのが小谷野栄一(オリックス)だ。アベレージも.400とさすがの数字。移籍してから故障もあってなかなか力を出し切れていなかったが、3年目にしてようやく規定打席に到達しトータル打率.279(リーグ9位)と仕事をした感がある。
日本ハム時代の2011年には打点王にも輝いた実力者。年間を通して試合に出られれば、これくらいの活躍は当然だろう。この10月には37歳となる、いわゆる「松坂世代」だが、まだまだ元気だ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)