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【2015夏の高校野球】《茨城観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド

7月4日〜23日(水戸市民球場ほか)

大本命はプロ注二塁手・宇草の常総学院
180センチ超の投手陣が夏の主役狙う

☆★☆ 投手編 ☆★☆


●180センチ超の本格派右腕豊作


 今春、センバツ8強で注目を集める常総学院の左腕・鈴木昭汰(2年)は、最速140キロのストレートと曲がりの大きなスライダーともに一級品で攻略は至難の業だ。2番手格でツーシームを駆使する右腕・菅原一泰は、春の県大会で22イニングを防御率ゼロと抜群の安定感を誇る。

 他校に目を移すと180センチ以上の好投手が多く、特に右腕が豊作だ。187センチの綾部翔(霞ヶ浦)は最速145キロで県内屈指の本格派右腕。4月の県南地区代表決定戦にはプロのスカウト14人がネット裏に集結した。秋・春連続で県準優勝となった明秀学園日立は、投打ともに馬力あふれる右腕・大友喬太を擁す。同校には180センチ以下だが右サイドからキレの鋭いスライダーを繰り出す津山裕希もいる。内村悠斗(取手松陽)は最速142キロで球威がある。反面、それを制御しきれない場面もあり、制球力向上が急務だ。最速137キロの山?誠(藤代)は長身を生かしたタテのスライダーを武器とする。

 左腕では、186センチの大関友久(土浦湖北)が最速136キロながら低めを丁寧に突き凡打の山を築く。課題はスタミナで、克服し4強の壁を突破したい。4番も務める川邊将範(古河三)はストレートに力がある。石岡一の2季連続4強入りを支えた左腕・木村玲央は、両サイドに投げ分ける指先感覚に優れ、追い込んだらスクリューで三振が狙える。下級生時から中軸とエースを務める福田海人(つくば国際)は最速144キロのストレートが武器。小林奨吾(水城)は威力あるストレートとスライダーを駆使。海野貴嗣(水戸葵陵・2年)はスピンの利いた伸びのあるストレートが魅力だ。


▲綾部翔(霞ヶ浦)


☆★☆ 打者編 ☆★☆

●機動力と長打力で差つける上位校


 常総学院は、宇草孔基が俊足強肩でプロ注目の大型二塁手だ。センバツ準々決勝での先頭打者初球本塁打は記憶に新しい。その後、長打力が魅力の和田慎吾とU18日本代表候補に選出。荒原祐貴は昨夏以降打力が大きく向上。センバツでは満塁を含む2本塁打、春の県大会決勝でも本塁打を放った。

 明秀学園日立は、上位を打つ関俊輔と永濱晃汰が機動力野球の屋台骨を支える。2年生の中軸にも厚みがあり、どこからでも得点が狙える。石岡一は勝負強い飯泉拓郎とパンチ力のある本多啓直が打線を牽引する。

 立松由宇(藤代・2年)には一発があり、秋以降の成長も楽しみだ。小川翔平(霞ヶ浦・2年)の遊撃の守備には一見の価値があり、打撃面の成長も著しい。金井洸樹(つくば秀英)はヘッドの抜けがよく、バットに乗せてスタンドまで運ぶ力がある。広角に打ち分ける白瀬勇樹(水城)は攻撃の起点となる。関口海渡(土浦湖北)は4番ながらストッパーも務める。寺嶋一也(守谷)はバットコントロールが巧みで内外角に対応できる。 昨夏・762と驚異の打率で4強の原動力となった川村文耶(取手松陽)には今夏も期待がかかる。下妻二の中川光輝は通算20本塁打超の長距離砲で、外野手の加園叶は俊足強肩で高い守備力を持つ。生田目忍(水戸工)は小柄ながら長打力と勝負強さを兼ね備える。


▲宇草孔基(常総学院)


☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●常総学院除く強豪校が消耗戦の可能性


 2季連続で優勝した常総学院が投攻守走すべての面で他校をリード、優勝候補の筆頭だ。そこに2季連続決勝戦で辛酸をなめた明秀学園日立、投手陣の安定感抜群の石岡一、投打にバランスの取れた藤代が追随する。しかし、シードポイントからこの3校に加え霞ヶ浦や土浦湖北などの強豪校が常総学院とは反対側のブロックに集中する可能性が高く、壮絶な消耗戦が予想される。昨夏、常総学院を苦しめ春4強入りした守谷、好投手擁する取手松陽や水城も優勝争いにからみそうだ。

地区勢力ピラミッド

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